投資信託を30年積立てるとこんな額になるの!?
投資信託を積立でやるのは何がいいの?1回でまとめて買った方が楽じゃない?そんなお声は実際多いです。しかし、投資信託をやる上では、この「積立」がとても大きなメリットになり、長期での投資をお考えであればなおのこと、すぐにでも積立を始めるべきだと言えます。
投資信託の積立を行なうと、投資の基本かつ大事な考え方である「分散投資」が自動で行われます。
・投資先の分散
・購入するタイミングの分散
・購入口数の分散
これら全て、損を被るという“リスク”が軽減できます。
ただし、リスクが軽減されるということは、利益も軽減されてしまうという可能性も秘めています。しかし、10年20年30年と長期的なスパンで見ると、今から、あなたができる額から積立を行なうことで、利益を出せる可能性がグッと上がります。
この記事では、投資信託を積立で行なう有効性と、実際にどういった投資信託を買って、どのように積立て行けばいいかを丁寧に解説していきます。
ぜひ、すぐにでも投資信託を開始してみてくださいね。
不動産投資体験談
1章 投資信託は“積立運用”が基本中の基本
1−1 毎月定額で購入していくのが、積立投資
投資信託の「積立」とは、その言葉の通り、毎月一定額の投資信託を購入し、少しずつ積み立てて行くことを指します。投資信託であれば、最低1000円から積み立てていける商品もあり、投資初心者の方でも手軽に始められるのが大きな特徴です。
1−2 積立投資信託のメリットは「リスク軽減」
投資信託と積立投資はとても相性がいいです。特に、初心者の方に関しては、この方法から投資を開始することをお勧めします。
なぜなら、自動で「分散投資」と「ドルコスト平均法」を使うことになり、リスクが小さくなるからです。
投資で重要な考え方に「分散投資」というものがあります。投資対象を分散させることで、リスクを分散させることができるという考え方です。
(分散投資に関して詳しい記事はこちら → リスクを抑えて堅実にお金を増やしたい人の分散投資ガイド)
投資信託は複数の投資対象がまとまった「ファンド」に投資をするものですので、この時点で『分散投資』になっているのがメリットとなります。
更に、毎月同じタイミング、毎月同じ金額での投資を行なうことは、投資用語でいう「ドルコスト平均法」になります。ドルコスト平均法、つまり、投資額を毎月一定にすることで、安いときは購入口数が多くなり、高いときは購入口数を少なく抑えることになり、平均取得価格(今まで購入した1株辺りの株価の平均値を示した額)が下がります。こうすることで、全体で価格変動のリスクを小さくできるというメリットが生まれます。
ドルコスト平均法とは
毎月1万円ずつ積立投資を行なう場合、基準価格7000円のときは「1万4285口の購入」となり、“多く買う”ことになります。逆に、基準価格が1万2000円のときは「8333件購入」となり、“ 少なく買う”ことになります。こうすることで、1株辺りの株価の平均が下がり、リスクを小さくすることができます。
ドルコスト平均法に関しての詳しい記事はこちらを参照ください。
⇒ 「ドル・コスト平均法」を使った投資に成功する条件とは?
つまり、投資信託を積立で行なうことは、極力リスクを抑えた、安定的で合理的な資産運用の方法ということに他なりません。
1−3 ストレスを感じることなく投資を続けられる
自動的な積立にすることで、ファンドの基準価額(投資信託の値段)の上下を気にすることなく運用ができます。1日中価格変動が気になり、それがストレスになって資産運用をストップしてしまう方も中にはいらっしゃいます。このステレスコントロールができ、継続的に長期で運用をできるようになることは大きなメリットと言えます。
自動的に運用することです。例えば、60歳になった時、資産をいくらまで増やしたいのか?そのために、どれくらまた、投資を行なう上で大切なことは、最終的な目標をたて、それに向かって計画しながら継続いずつ投資すればいいのか?を算出する際に、毎月の投資額を固定することで積立の合計金額の計算が容易にもなります。
投資は長く根気よく続けていくことが重要です。そのためにも、投資信託を積立運用することのメリットを最大限活かしましょう。
2章 投資信託の準備〜開始まで
投資信託を積立で開始するには、以下のような流れが一般的です。
1、証券口座開設
2、NISA口座開設 (※開設しなくても開始できますが、開設をお勧めします。※1後述)
3、積立額を決める
4、ファンドを決める
5、積立で開始する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2−1 証券口座開設
まずは証券会社の口座を開設しなくては何も始まりません。開設する方法は複数存在しますが、ネット証券での口座開設がお勧めです。インターネットの環境、スマホひとつあれば簡単に申し込みができます。
また、ネット証券の口座も様々ありますが、大手であれば取り扱っている投資信託商品も似ているのでどれを選んでも特に問題はありません。
<大手ネット証券の比較>
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | |
口座開設費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
低コスト商品の取扱 | あり | あり | あり |
最低積立金額 | 500円 | 1000円 | 1000円 |
使ってみて自分に合っていないということであれば、また別の証券会社の口座を開設すれば問題ありません。重要なことは、まずスタートラインに立つことです。
銀行や証券会社での口座開設はお勧めしません。なぜなら、口座開設にプラスして、担当者から様々なセールスをされるケースが多々あり、余計な商品を勧められることもしばしば。その商品は、銀行や証券会社にとって得な商品であって、そこに、あなたにとって有益な商品や情報であるとは限りません。
2−2 NISA口座開設
証券口座開設が完了したら、NISAの資料を取り寄せ、必要事項を書いて提出するだけで※2口座開設は完了します。
※1 NISAを利用するには証券会社の口座を開設した後、NISA口座を別に開設する必要があります。
※2 口座開設の申請後、2〜4週間程度かかりることがあります。
NISAとは、わかりやすく言うと「少額の投資で儲けた利益にかかる税金がタダになる」制度です。NISA口座を開設せずとも投資信託を開始できますが、以下のようなメリットがありますので、ぜひ開設しましょう。
・1年間に投資する元本が120万円まではむこう5年間の儲けが非課税になる
・5年間、計600万円まで非課税にできる(1年間120万円×5年間=5年で600万円)
ただし、NISA口座で運用した場合には「損益通算」ができないというデメリットもあります。損益通算とは、A口座で出た利益とB口座で出た損失を相殺した分のみが課税対象となることをいいます。しかし、NISA口座で損失が出た場合、他の口座(一般口座や特定口座)と損益通算ができません。つまり、NISA口座では損失、他の口座では利益が出てしまった場合、NISAを利用していなかった場合に比べて多く税金を支払う可能性があります。
NISAに関する詳しいメリット・デメリットを知りたい方は以下の記事をご参照ください。
⇒ 投資初心者必見!NISAではじめる賢い投資信託の運用方法
ただし、損失を出すリスクを抑える方法を「2−4 ファンドを決める」で解説いたします。
2−3 ライフプランと共に積立額を決める
自分が何歳までに、いくら資産を形成していたいかによって毎月、毎年の積立額を考えていきましょう。各々何を目的、いくらを目標として資産運用を開始するかは異なるかと思いますが、ライフプランを考える上での1つの指標として、「老後資金3000万円」と良く言われます。
こちらを元に積立額を考えたいという方、現在はっきりと目標額が決まっていない方は以下の記事が参考になるかと思いますので、一読しておくことをお勧めいたします。
⇒ 投資初心者必見!老後資金3000万円を貯める投資・貯金のシミュレーション
2−4 ファンドを決める
次は実際にどのファンドに投資をするか決定しましょう。初心者の方が初めて購入するものは「インデックスファンド」をお勧めします。特に、世界株式全体に投資をしているものがお勧めです。なぜなら2017年8月現在も順調に成長を続けており、長期投資をした場合、安定して利益を出せる可能性が高いからです。
※参照:世界経済インデックスファンドFの10年のチャート|Yahooファイナンス ※2017年8月30日時点
<世界経済の成長が進む理由>
経済成長が進む大きな要因は「人口の増加」が大きいとされています。人が増えればその分、モノやサービスの需要が増え、その結果供給が増えます。その供給を行なうために雇用が生まれ、そうやって経済が回って成長していきます。世界人口は2050年までに90億人を突破するとも言われ、現在も人口の増加が進んでいます。
インデックスファンドとは、NYダウや日経平均株価やなどの指標に機械的に連動する投資信託のことを指します。つまり、指標となるNYダウなどが上昇すればこの投資信託の利益も上昇していきます。
インデックスファンドはいわば、多くの上場企業がまとまったものですので、株価変動も単一の株価よりも緩やかで、リスクが少ないというメリットがあります。また、機械的に連動させることで人件費を抑えられ、そのため、手数料が少ないこともメリットとして挙げられます。
損失のリスクを抑え、少しずつ緩やかに利益を挙げていくインデックスファンドは、初心者が初めて買うのに適しており、更に、NISAを活用するのにも適した商品ということが言えます。
インデックスファンドの優位性、注意点等をまとめた記事が以下となります。こちらも一読することをお勧めいたします。
⇒ 【インデックス投資を徹底解説】初心者が知るべき4つのステップ
特に、「3.インデックス投資で利益を上げるまでの4ステップ」にインデックスファンドの選び方のコツを記載しておりますのでぜひ参考にしてみてください。
2−5 積立で開始する
ファンドが決まったら、後は積立で開始する手順を踏んでいくだけとなります。ここでは、ネット証券での開始方法をお伝えいたします。
①検索窓に「インデックス」と入れ検索し、購入したいファンドを選択する
②「積立買い付け」を選択する
③毎月積み立てたい金額を設定する
④引き落とし日を設定する
⑤注文を完了させます。
※ネット証券の種類によって、文言や順番の多少の違いはありますが、上記の流れが一般的です。
SBI証券での投資信託の始め方は、公式HPの以下のページにて詳しく解説されておりますのでご参考ください。
以上となります。
これで積立の買い注文設定が完了、設定した引き落とし日になれば、毎月自動的に指定した投資信託の買い注文が積み立てられていきます。
3章 積立で行なうことの注意点
良いことばかりの積立運用ではありません。デメリット、抱えうるリスクも把握しておく必要があります。
3−1 値動きが“右肩下がり”の場合、元本割れの可能性がある
積立運用は、毎月定額で積み上げ、かつ、保持しながら※複利効果を得て、長期で保持することにメリットがあります。安い時に買い、高い時に売る、といった運用は基本行いません。そのため、複利効果で利益を増やしつつ、ドルコスト平均法でリスクを分散させたからと言って、年々基準価額が減少していくような“右肩下がり”の値動きの場合、元本割れ(損失)が発生する可能性があります。
※複利効果
複利とは利息計算手法のひとつで、元本と利息の合計額に対して利息が計算される方法のこと。時間が経過すればするほど利益が膨らむのが特徴。
複利効果について詳しく知りたい方はこちらも一読ください。
⇒ お金持ちへのパスポート『複利』でお金を増やす具体的な手法
3−2 手数料が発生する
購入毎に手数料が発生する投資信託の積立の場合、都度手数料が発生してしまい、利益が薄くなってしまう可能性があります。また、投資信託の特徴として、信託報酬(運用手数料)が発生し、これもまた、利益が少なくなる原因となります。
投資信託の手数料に関して詳しく解説した記事が以下になります。ぜひ一読ください。
■投資信託初心者のよくある失敗例9選から学ぶ、成功者の共通点 | 1−4 手数料を理解せずに買ってしまって失敗
3−3 利益が膨らむのが緩やか
投資信託での積立は、投資額が大きくなるまで時間がかかり、更に信託報酬が発生するため、利益が薄くなります。そのため、利益が出るまで時間がかかり、また、その増え方も緩やかになることがほとんどです。
しかし、長い期間投資を続けていくことで複利効果が発揮され、次第に利益が大きくなっていくことも覚えておきましょう。
4章 運用していく上でのコツ
4−1 ノーロードの商品を選ぶ
投資信託には、ノーロードと言って、購入時の手数料が発生しないものが存在します。ネット証券のホームページにて、ファンド名検索の窓に「ノーロード」と打ち込んで検索するか、もしくはファンドの情報に「買付手数料なし」と書かれているものは、購入時の手数料がかかりません。手数料を極力抑えたい方は、このような商品を選びましょう。
ただし、気をつけなければいけないのは、「信託報酬」つまり運用管理費です。購入手数料が無料にしている代わりに、信託報酬を高くしているケースも存在します。トータルコストを考えた上で、ノーロード商品を選びましょう。
4−2 分散投資
インデックスファンドから開始したとして、その他の商品にも目を向け、更に分散投資を進めていきましょう。投資信託自体が分散投資だと説明しましたが、1つのファンドのみで資産を形成しようとすると、そのファンドのみでの成績で利益が左右されますので、リスクが高まります。そのため、他のインデックスファンドや、バランス型の投資信託、国内外の投資信託など、様々なファンドにも目を向け、常に資産を分散させることを意識し、リスクをコントロールしていきましょう。
投資に関しての重要な「分散投資」という考え方を学ぶには、以下の記事が参考になります。ぜひ一読ください。
4−3 定期的に目標と積立額の確認、見直しを行なう
年に1回、2年に1回など定期的に、または、大きな値動き(世界・日本の経済が大きく動いた時)があった際は、現状を把握し、積立額を見直しましょう。
ここで、3−2で説明した、分散投資が役に立ちます。成績の悪いファンドの積立額を減らし、その分の積立額を、成績の良いファンドに回しましょう。こうすることで、利益のバランスが取れ、リスクを軽減することが可能となります。これをリバランスと呼びます。
定期的にこのリバランスを行なうことで、利益の最大化を図っていきましょう。
5章 安定した利益を出せるようになった先のステージ
投資信託を運用しながら、資産運用の勉強を続けましょう。次第にコツを掴み、資産が大きくなってきたら、次はより大きな利益を生む資産運用にも目を向けていきましょう。
次のステージとして考えたいのが、不動産の投資信託「リート」です。分散投資の中でも「分散投資の三分法」という考えがあり、理想的な分散は、
・現金
・株式(投資信託)
・不動産(リート)
の3つと言われています。
不動産は、長期で安定した収益を得られる手堅い投資手法。しかし、初期投資の金額が大きく、更に着手(不動産の購入)するまで時間と手間がかかってしまうのがネックです。しかし、不動産投資の投資信託の「リート」を使うことで、1万円台から不動産という資産に投資することができるようになりました。これを活用することで、理想的な分散投資が完成します。
リートと投資信託の関係を解説した記事が以下になります。ご一読ください。
⇒ すぐにリートを始めたくなる!投資信託との関係強化が成功の近道
その次のステージとして、国内外の株式や、実物の不動産などに目を向けていきましょう。こうして、資産運用にかける時間と、自身の資産が増えていく度に、1つずつステージを上げていくことをお勧めします。
まとめ
投資信託の積立運用は、資産運用の第一歩でしかありません。より安定し、利益を出す手法を模索していき、リスクと上手に付き合っていくことが、投資家として成長することになります。そのためには、まずは、投資という世界に足を踏み入れること。リスクを抑え、着実に利益を出せる方法で始めること。リスクを知り、一歩ずつ次のステージに進んでいくこと。
投資信託の積立から始めて、大きな成果を上げられる投資家を目指しましょう。
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