不動産投資を含め自分の資産を運用していこうと考える時、誰もが失敗を避けたいと考えるはずです。せっかくなら、計画的に資産を増やしていきたいですよね。
不動産投資では安易な資金計画による破綻やそもそも不動産投資のリスクを正しく認識していない結果、失敗してしまうケース。
さらに不動産会社と不利益な契約を結んだことでトラブルへと発展してしまうこともあります。
このような失敗の原因がなんなのかを事前に知っておくことで、自身の資産運用では間違ったアクションを行わないよう予防することができるでしょう。
今回は不動産投資で失敗する主な理由と、そのような事態を防ぐために事前に備えるべき内容をご紹介します。
不動産投資体験談
目次
1.不動産投資が失敗する3つの理由
不動産投資における失敗を防ぐためには、まずどのような理由で破綻してしまうのかをよく知る必要があります。知識をつけることは資産運用の第一歩です。
失敗の原因を知り、その対策を考えた上で投資を始めるようにしましょう。
1-1.ローンの使い方の失敗する
不動産投資は他の金融商品と異なり高額な投資となります。そのため、投資をはじめるにあたっては投資用ローンを組むことが一般的です。
投資用ローンも融資条件もそれほど厳しいものではなく、年収500万円以上で他に大きな借り入れがなければ、投資用ローンを組むことは難しくありません。
ただし、気を付けなればいけないのは、『借りすぎ』です。
賃貸需要のある立地でローンのない物件であれば、これほど安定して収益を上げられる投資もありません。ローンがなければ、空室や滞納が続いたからと言って、生活が破綻してまうことはありません。
不動産投資で生活が破綻してしまうだけの失敗につながるのは、ひとえに過大なローンがあるからです。
空室や滞納があるからといっても、毎月のローン返済は待ってはくれません。いくら家賃収入でローンを返済できるといっても、あなたの給与収入でどれだけ返済していけるかを考えておくことは、とても重要なポイントです。賃貸需要が少ない地方や郊外で数十万円ものローン返済が必要なアパート経営は私は決しておすすめできません。
もうひとつ気を付けるべきポイントは「住宅ローン」です。
投資用ローンの借りすぎで住宅ローンが借りられなくなることがあります。投資用ローンも住宅ローンも個人の融資枠を活用します。例えば、融資枠が5,000万円しかない人が、2,000万円のワンルームマンションを2戸ローンで購入すると、それだけでもう残りの枠は1,000万円しかなくなります。実際に、自宅を購入するために投資用マンションを売却したということは珍しい話ではありません。
これから自宅購入する予定がある場合は、必ずローンの融資枠についても意識しておく必要があります。
むしろ、こうした点をアドバイスしてくれない不動産会社であれば、そこからの購入を差し控えたほうがよいでしょう。
このように、なんの考えもなく「低金利だから」「借りやすいから」「副業になるから」といって不動産投資に飛びつくと悲惨な結果を招く可能性があります。不動産投資が失敗する理由の多くは過剰債務です。投資を行う前は綿密な資金計画をたてた上で行うようにしましょう。
1-2.物件選びの失敗
不動産投資の成否は物件選び9割以上が決まります。
購入したあとにいくら工夫をしたからとっても、立地自体の魅力を引き上げることはできません。
いわゆるカリスマ大家が出版している書籍では、物件の価格が手ごろなこともあり地方圏のアパートや古くなった戸建などが紹介されているケースもあります。もちろん、こうした投資で成功することもできますが、手間と時間がかかることは間違いありません。
あなたが本業としての仕事は行いながら、家賃収入を得ていきたいのであれば、こうした物件ではなく、大都市圏の賃貸需要が安定しているエリアの物件を選ぶべきです。
1-3.パートナー選びの失敗
不動産投資を行う場合、物件や土地選びなど不動産会社の担当の方と一緒に行うという方も多いと思います。相手は不動産のプロなので、プロの目の意見をもらって参考にすることは大切です。
その際のポイントは、担当者自身も不動産投資を実践しているかどうかです。
実際に、投資用不動産を顧客に紹介しながら、自身でも投資を実践しているコンサルタントは少なくありません。
投資を実践しているコンサルタントのほうが、より実践的な話もできますし、良いアドバイスをもらえるはずです。
なお、自分で投資をしないにもかかわらず、投資をすすめてくるコンサルタントの事情は以下の記事に詳しいので、ぜひあわせてご覧ください。
2.事前に備えるべきこと
失敗ばかり聞くと、不動産投資は初心者には手が出しにくい怖いものだと感じてしまうかもしれません。
しかし、事前にこれらの原因を知ることができれば、自分が同じような失敗をしないよう備えることができます。ここからは、不動産投資における失敗を防ぐための備え方をご紹介します。
2-1.ローンの怖さを知り、ローンとの付き合い方を知る
投資用ローンを組まなければリスクはありませんが、ローンを組まなければ不動産投資をはじめることはできません。
それは、収益不動産は他の金融商品い比べて高額だからです。
ローンリスクを担保するには、ローンを最小化すること、もしくは規模を追求することの2つの方法があります。
購入時にローンを利用したとしても、繰り上げ返済を積極的に行ってローンを完済してしまえば、リスクはありません。一般的なサラリーマンの方であれば、ローンを減らしていくこの手法が基本路線です。
一方で、ローンのリスクを担保するために、物件を増やしていくという考え方もあります。毎月の手取り家賃収入からローン返済額を差し引いても仮に1万円が残る場合、100室保有すれば、毎月100万円が手元にのこります。
こうなれば、たとえ10部屋の空室が出たとしても十分に家賃でカバーすることができます。ただ、金利上昇したり、大学や工場の移転による物件所在エリアの賃貸需要の急減、天災等によって外部環境が大きく変わった場合、取り返しのつかないことになりかねません。
こうした手法は、専業大家、プロの不動産投資家を目指すのであれば選択肢になるでしょうが、副収入を作るという目的で不動産投資を始める方にはお勧めできません。
繰り返しになりますが、投資用ローンがリスクなわけではなく、ローンを借りっぱなしておくことはリスクを放置することになりますので、まめな繰り上げ返済を行いリスクをコントロールしていきましょう。
2-2.「不動」だからこそ、立地はこだわりぬく
不動産は文字通り「不動」の資産です。
他の金融商品と異なり、簡単には買い替えることができません。だからこそ立地にはこだわり抜く姿勢が必要です。
物件が老朽化したのであれば、リノベーション工事やバリューアップすることもできますし、長期修繕計画に基づいて建物管理のメンテナンスも実施していれば、そもそもの老朽化のスピードも抑えられます。
しかし、場所だけは変えることができません。空室が続いているからと言って、場所は当然変えられないのです。
しかも不動産投資は長期にわたる投資です。いま満室だからといって喜ぶのではなく、長期にわたって安定して需要を見込める場所なのかどうかを見極めて物件を選ぶことです。
立地さえ間違えなければ、こと空室に関して大きな失敗に発展することは少ないでしょう。
2-3.リスクをコントロールする
不動産投資はリスク管理がもっとも重要です。空室リスクや金利上昇リスク、災害のリスクなど懸念すべきリスクが多くあります。
しかし、これらのほとんどが事前に備えることによって回避できるものです。
詳しいリスクと対象はこちらから
一番の問題は、リスクを知らずに不動産投資を始めてしまうことです。
リスクを知らなければ対応の仕様がありませんし、問題が起こってからでは対処できないリスクもあります。
不動産投資はリスクもありますが、いずれのリスクも回避・軽減する方法も確率されています。
まずは不動産投資で失敗しないためには、まずはリスクとコントロール方法を知ることからはじめましょう。
2-4.信頼できるパートナーを選ぶ
実際に不動産を所有した後は、管理を賃貸管理会社に委託するという方も多いでしょう。この場合、管理会社の選択も重要なキーとなります。
空室解消の能力がどのくらいあるかや、内装の工事費用は相場とどのくらいの差があるか、また実際の入居者対応はどのようなものなのか、管理業者によって得意分野は様々です。
空室解消力が低い会社だと空室期間が長くなるおそれがありますし、工事費用が相場より高額な会社だと退室などの度に多額の経費がかかってしまいます。入居者対応があまり丁寧ではない会社だと、クレームに発展するおそれや、後々入居者が減ってしまうかもしれません。
賃貸管理委託会社をよく選定することは、リスクのコントロールにもつながります。
賃貸管理会社の能力を見極めるひとつのポイントは管理戸数と入居率です。
管理戸数が5,000戸以上あり、管理する物件の入居率も都内であれば98%以上あるような会社であれば一定の水準を満たしているといえます。反対に、管理戸数や入居率を開示していないような会社の場合、問い合わせの際には必ずこの2つの項目はヒアリングすべきです。
賃貸管理会社の選び方ひとつで、不動産から得られる収入は大きく異なります。
投資のパートナーである賃貸管理会社選びは、物件と同じくらい重要です。
2-5.「考える」ことをこだわり抜く
あなたのこと、あなたの将来のことを真剣に考えられるのは「あなた」だけです。
不動産投資の失敗を回避するにあたって、コンサルタントやネット、書籍から情報を得ることは重要です。しかし、多くの情報の中から、どれを採用して、アクションに移すかはあなた次第です。
有名なコンサルタントが言っているから、みんながやっているから、といった理由で安易に不動産投資を始めてしまうと、失敗を招くもとになります。
情報の真偽の裏を取ることはもちろん、次の2つのポイントに考慮して、『再現性』を検討することが重要です。
・いまの時代でも通用するノウハウ・情報か?
・その人固有の状況・属性だから成功したのではないか?
不動産会社や管理会社など不動産投資では多くの人と関わることになります。全てを任せきりにせず、あなた自身で判断すること。主体的な行動を心がけましょう。
まとめ
不動産投資では安易な資金計画による破綻や、様々なリスクに耐えることができないなど、失敗する可能性がないとは言い切れません。しかし、その多くが不動産の知識をつけておくことで回避したり、被害を小さく抑えたりすることができます。先人の失敗から目を背けずに、自分ではどのように備えるか常に考えることで、トラブルの少ない適切な運用へと導くことができるでしょう。