あなたは今、安定した家賃収入を期待できるかもしれないアパート経営が、なぜ危険なのかと疑問を持ってこの記事を開いたところでしょう。
確かに、1室5万円の家賃で10室あれば、毎月50万円が不労所得として手に入ります。
しかし、それは安定した『満室経営』ができてこその不労所得です。
LIFULL HOME‘Sの『見える賃貸経営』によると、都心の主要駅からの徒歩分数が10分を超えると入居希望者がガクッと減ってしまいます。
では、主要駅近くにアパートを建てればいいんじゃないか。
そう思われる方もいると思いますが、都心の主要駅近くに空き地はほとんど残っていません。
東京にお住いの方であれば想像がつくと思いますが、最寄り駅の近くに空いた土地などありませんよね。
たとえ土地が見つかったとしても、購入価格はゆうに1億を超えていていきます。
仮に1億円以上の余剰資金があり、現金で都心の好立地にアパートを購入できるならば、高い確率で成功する道が見えてきますが、一般のサラリーマンが簡単に購入することは難しい。
建てるとしたら地方ですが、その土地には確かな賃貸需要はあるのでしょうか?
仮にあなたが現在、不動産会社からアパート経営を勧められているのであれば、ぜひその根拠を担当者に問い合わせてみてください。
「サブリース」を根拠にしているなら、絶対に手を引きましょう。
なぜなら、家賃保証を謳うサブリースは、いずれ保証家賃の改定が行われ、毎月大きな赤字となってしまう可能性が高いからです。
不動産投資の鉄則は、賃貸需要の高い土地で行うことです。
都心には建てられず、地方では黒字運用が難しいアパート経営は、サラリーマンのあなたの選択肢からは外すべきです。
今回の記事では、その根拠をお伝えするとともに、サラリーマンが大きなリスクを冒さずに取り組める不動産投資の種類をお伝えします。
不動産投資体験談
目次
1.厳しい投資環境が続くアパート経営はサラリーマンにとってリスクが高い
アパート経営は、サラリーマンが行うにはリスクが大きすぎます。
冒頭でもお伝えした通り、都心の一等地のアパートは1億円を超えることがほとんどで、簡単には手が出せないような物件ばかりです。
ローンを活用するにしても、昨今の不正融資問題の影響で、多くの金融機関で一棟アパートには融資をすることはありません。
このような状況の中でも、利回りや購入価格の観点から、地方のアパート経営を勧める不動産会社は後を絶たないのです。
不動産投資サイト『楽街』を運営するファーストロジック社のリリースによると、全国の一棟アパートの価格は直近の3四半期連続で下落しています。
価格が下がったことで、買い時だと感じる方もいるでしょう。
ただ、投資用の不動産の購入を検討している場合には、単純な価格の下落は大きな落とし穴になりかねません。
投資用物件の価格の下落は、その場所に“賃貸需要”が薄くなる要因のひとつです。
不動産投資の最大のリスクは、空室です。
入居者が見つからなければ、その土地の相場に合わせながら家賃を下げて募集する必要があります。
家賃が下がれば、利回りも下がります。
利回りが同じエリアの物件と比べて見劣りするような物件は、選択肢から外す投資家も増えてきます。
家賃を下げても利回りを維持するには、物件価格を下げざるを得ません。
ましてや人が減り続けている地方では、目も当てられない惨状が広がっています。
下図は一部メディアでも話題になった、ある地方都市の最寄駅から徒歩30分以上離れた田園地帯です。
図の中の赤丸はすべてアパートを示しており、乱立している様子がうかがえます。
近くに大学や工場といった賃貸需要を生み出すものはなく、残念ながら空室ばかりが目立っているのです。
図1|地方都市の航空写真。赤丸はすべてアパート
いくら価格が安く利回りが高いといっても、賃貸需要のない地方でアパート経営を始めてしまえば、安定した収益を生まず、あなたの首を絞め続ける“負”動産となってしまいます。
これ以外にも、地方のアパート経営には手を出してほしくない理由がいくつもあります。
第2章からは、地方のアパート経営を失敗に導く7つの要因についてご紹介していきます。
地方のアパート経営を検討しているのであれば、まずは、この記事を読んでから改めて検討してみてください。
2.地方のアパート経営が失敗する7つの決定的な理由
地方のアパート経営には、多くの落とし穴があります。
それを理解せずにスタートしてしまうと、あなたの生活を破綻しかねない、後戻りのできない状況へと陥ってしまいます。
不動産会社からの提案を聞く前に、まず、この7つの理由を読んでみてください。
それからでも、地方のアパート経営を検討することは遅くはありません。
2-1.理由①|賃貸需要が低い立地では不動産投資は成功しない
不動産投資の目的は、長期的、安定的、継続的に家賃収入を得続けることです。
家賃収入を得続けるには、空室期間をいかに短くすることができるかにかかっています。
空室期間を短くするには、『人が集まり続ける場所』で不動産投資を始めることです。
冒頭のある地方都市の例を取ってみても、空室が目立ち、健全に黒字経営ができているとは言えません。
これは、全国のほとんどの場所で言えることです。
総務省が発表している転入超過数を見てみると、2019年に人口が増えたのは全国で8都府県しかありません。
図2|2019年(緑)と2018年(黄)の転入超過数
グラフでもわかるように、東京都が圧倒的に人口を伸ばしており、不動産投資を始める立地として、どこがふさわしい立地が一目瞭然でしょう。
全国的に人口が減少していくなかで、人口を増やすことが出来ている場所、そしてなにより、その数が膨大な東京で不動産投資を始めることが、成功する確率を高める要因となります。
2-2.理由②|黒字経営はサブリース無しで成立する
家賃保証をうたうサブリース契約は、あてにしてはいけません。
サブリースの家賃保証は、数年に1度保証する家賃を見直す内容が契約書に盛り込まれているケースがあります。
地方のアパートで入居者が付かず空室が続けば、不動産管理会社は容赦なく保証家賃の引き下げ交渉をしてきます。
さらに、サブリース契約は簡単には解除ができません。
解除までに半年や1年といった長い時間を必要としたり、即時解約には高額の違約金が発生することもあります。
結果として、契約解除まで泣く泣く赤字運営を続けなければならないというトラブルが多発しているのです。
そもそも、賃貸需要の高い立地で不動産投資を行うのであれば、サブリースは必要ではありません。
当社は、投資用の中古ワンルームをご紹介していますが、サブリースがなくとも年間99%以上の入居率を維持し続けています。
それは、サブリースに頼ることのない、確かな賃貸需要がある東京で最もニーズの高いワンルームを扱っているからです。
不動産投資を検討するうえで、サブリースは考えてはいけません。
サブリースがなくとも成立する不動産投資を探しましょう。
2-3.理由③|低価格・高利回りだけで選んではいけない
都心のアパートと比べて地方のアパートは、格安の物件ばかりです。
物件価格が安ければ当然利回りは高くなりますので、その数字につられて購入意欲を掻き立てられるのもわかります。
しかし、それは満室経営ができてこその利回りです。
その地方の物件の周辺に、確かな賃貸需要があるかどうかを見極める必要があるのです。
行ける場所であれば、実際に現地に足を運ぶのもいいでしょう。
隣近所のアパートやマンションが満室経営できていたり、周辺に学校や会社など、人が集まる要因が複数存在することも賃貸需要があるかどうかを見極めるポイントです。
不動産投資は買って終わりではなく、購入後、どのように運営していくかがカギとなります。
単純な購入価格や利回りで意思決定するのではなく、「賃貸需要」という観点から投資物件を見極めましょう。
2-4.理由④|依然厳しい一棟アパートの融資状況
では、賃貸需要の高い都心でアパート経営を始めるのが良いのでは、と考える方も多いと思います。
これは地方のアパートとも同じですが、現在一棟物件に対する融資は、2018年ころから始まった不正融資問題やアパート乱立などを受けて、非常に厳しい状況が続いてきました。
最近になり、条件が緩和され融資を再開する金融機関も出てきましたが、それでも多くの金融機関はいまだに融資を行っていません。
融資が受けられないとなると、現金での購入を考えなくてはなりませんが、都心の一等地の物件は、1億円を越えてしまいますし、地方の物件は賃貸需要の問題もあります。
融資が使えない以上、アパート経営を購入検討することはあまり現実的ではないでしょう。
2-5.理由⑤|全部屋に波及する災害や事故リスク
一棟のアパート経営において、ひとたび災害や事故が発生してしまうと、すべての部屋に影響が波及します。
たとえば、自室で入居者が自殺されてしまうと、新しい入居者を見つける際には告知義務が発生します。
当然その部屋の家賃はガクッと下がってしまい、さらに同じマンションの他のお部屋の家賃も下げざるをえなくなってしまいます。
ほかにも、台風の影響で上階に漏水が発生し下の階まで被害が出てしまうこともあります。
リスク分散という観点でいえば、一棟アパートを所有することはリスクをひと抱えにしてしまうことにもなります。
特に不動産投資初心者であれば、まずは一棟ではなく区分の所有から検討することがいいでしょう。
2-6.理由⑥|一度に多額の費用が発生する設備交換費用と大規模修繕
一棟のアパートを建築すると、エアコンや給湯器などの設備はほぼ同じ生産日のものとなります。
すると、入居者の使い方にもよりますが、経年劣化で壊れる時期はほとんど同じ時期となります。
エアコンの交換費が7万円だとして、部屋の数が10戸あれば、ある時期に70万円の交換費がかかってしまうリスクがあります。
また、大規模修繕費についても、数百万円から数千万円の修繕費を一人で負担しなければなりません。
アパート経営を始める場合には、万が一に備えて、ある程度の余剰資金を作っていく費用があります。
2-7.理由⑦|出口の見えない出口戦略
不動産投資を検討するうえで外せないのは『出口戦略』でしょう。
購入した物件をいつまで持ち続けて、売却をするならいつ売ればよいのか。
誰しもが気になるところです。
結論からお伝えすると、賃貸需要のない土地のアパートは、どんな物件であっても売却することは困難です。
買ったとしても、入居者が付かなければ投資用の不動産として魅力はありませんし、再利用にも不向きです。
バブル期には数千万円もした越後湯沢のリゾートマンションは、現在10万円でたたき売りがされていますが、それでも買い手が見つかりません。
埼玉県深谷市の体育館は、「マイナス約1340万円」でようやく手放すことができました。
これはつまり、深谷市が約1340万円を支払って体育館を手放した、ということです。
このように、ニーズの高い不動産でなければ、出口戦略を考えることもできないのです。
出口戦略を考えるうえでも、確かなニーズが揃っている東京の物件を購入することが重要なのです。
3.条件次第で都内のアパート経営も一考
ここまでで、賃貸需要の薄い地方のアパート経営の難しさはご理解いただけたと思います。
逆に、賃貸需要の高い都内であれば、アパート経営をうまく運用していけるでしょう。
ただし、それを実現できるのは非常に厳しい条件をクリアすることができる、ほんのひと握りの方だけです。
この章では、都内のアパート経営を実現する条件をご紹介します。
3-1.条件①|現金購入を検討するなら購入資金+1,000万円を準備すること
まず、都内一等地のアパートは、当然のことながら高額です。
安くて5000万円、23区内なら1億円は超えてきます。
また、不測の事態に備えてある程度の余剰資金を手元に残しておく必要があります。
第2章でもお伝えした通り、設備交換や大規模修繕など一度に数百万円ほどの資金が必要となります。
そのため、購入金額+1000万ほど用意しておくことができれば、当面の運用には困らないでしょう。
ただし、万が一のことも頭に入れて、購入する際には十分に検討を重ねましょう。
3-2.条件②|ローン購入を検討するなら不動産投資実践中で、かつ黒字運用ができていること
2-4でもご紹介した通り、一棟物件へのローン審査は厳しい状況が続いています。
それでもローンを活用して高額の一棟物件の不動産投資をスタートしたい場合には、まず、区分マンションや立地の良い割安の一棟物件をスタートさせ、かつ黒字の運用ができていることが条件となります。
もし赤字が続いている場合には、金融機関から融資を受けることは、まず難しいでしょう。
将来的にローンで収益用の一棟物件を購入したいのであれば、区分のワンルームなど手堅い不動産投資からスタートさせ、実績を積むしか現状はありません。
4.サラリーマンに最適な不動産投資は『区分の東京中古ワンルーム』
では、サラリーマンが不動産投資を行うならどんな条件が良いのか。
それは、『区分の東京中古ワンルームマンション』です。
それでは、なぜ、区分の東京中古ワンルームマンションがサラリーマンにとって最適なのか、ご紹介していきます。
4-1.人が集まり続ける『東京』
まずは、将来も確かな賃貸需要が見込める『東京』で投資用の物件を探しましょう。
2-1でも紹介したように、日本全体の人口は減少していますが、東京の人口は爆発的に増え続けています。
その要因は、東京23区で盛んにおこなわれている再開発です。
例えば、ついに開業した山手線新駅『高輪ゲートウェイ』の周辺は、経済特区として新国際都市が2024年に街びらきされます。
昨年11月に『渋谷ストリーム』が開業した渋谷駅周辺は、これから7年先まで合計10棟の大型ビルが立ち並ぶ予定です。
そして、2027年には東京駅のすぐそばに、高さ日本一となる390mの超高層ビルが誕生します。
東京オリンピックを終えたとしても、その後も開発が行われる東京には、次々と企業が増えます。
そして、その職を求めて、より多くの人が全国から集まってくるのです。
将来的にも底堅い賃貸需要がありつづけるのは、東京だけです。
だからこそ、投資用の物件を探すなら、東京が最適なのです。
4-2.価格が安く物件のポテンシャルがわかる『中古』
新築は物件価格にプラスして、広告費用や人件費がプラスされています。
その結果、中古と比べて3割ほど高くなっています。
もちろん経年劣化はあるものの、災害や賃貸需要などの外的環境の変化がなければ、資産価値が大きく下落することはありません。
逆に、新築は登記をした瞬間に中古へとかわります。
あなたは新築と思っていても、第三者から見たらその物件はすでに中古なのです。
そのため、中古でも築浅の物件であれば、新築同様のハイスペックな設備を備えつつ、購入価格を抑えることが可能なのです。
また、中古物件は、重要事項調査報告書で修繕計画や現在の修繕積立金の総額、管理形態や金融機関からの借り入れ状況など、その物件の状況を知ることができます。
その報告書を見たうえで、購入すべきかどうか判断ができるのです。
ただ、中古物件ならなんでもいいというわけではありません。
新耐震基準を満たしている物件を選ぶことが、必須の条件です。
1981年に改正された、この新耐震基準を満たしている物件は、東日本大震災でも、地震の揺れによる倒壊・大破は一棟もありませんでした。
地震の多い国だからこそ、新耐震基準をクリアしている中古物件を選びましょう。
4-3.借り手が途切れない『ワンルーム』
どんなに人口が減少しようとも、都心のワンルームであれば借り手に困ることはありません。
ワンルームの主な借り手は、学生や若いサラリーマンといった「単身世代」です。
4-1で紹介した転入超過数の内訳をみてみると、10代後半から20代が爆発的に増えています。
図3|東京と福岡の2019年の転入超過数の内訳
上記は、東京と福岡の、昨年の転入超過数を比べたグラフですが、確かに福岡も10代後半の人口は増加しています。
しかし、20代になると増えた以上に人口は減少しているのです。
これは、進学を機に九州中の学生が一度福岡に集まるものの、就職のタイミングで県外へと出て行ってしまっていることを表しています。
そしてその主な行き先が東京です。
この現象は福岡だけではなく、進学や就職を機に、日本中の若者が東京へ集まってきているのです。
また、ワンルームは住宅ローンが使えません。
自分が住むために購入するには、必然的に現金購入しか道がないのです。
とはいえ、10代や20代の若者が、自分が住むために1000万円も2000万円も現金を用意して購入するとは考えにくく、必然的に購入層との競争もないため、賃貸が決まりやすいのが現状です。
当社では、毎年平均の空室期間を出していますが、2019年は東京全体で24.0日でした。
地方の物件であれば、3ヵ月や半年空室が続くこともざらですが、都心のワンルームであれば、おおむねひと月以内に次の入居者を見つけることができています。
不動産投資最大のリスクである『空室リスク』を避けるには、都心のワンルームを選ぶことが重要です。
4-4.融資が受けやすくリスク分散にもなる『区分』
これまでもお伝えしてきた通り、一棟の不動産は融資が受けにくい状況が続いています。
仮に融資が受けられたとしても、大きな負債を抱えることは大きなリスクを伴います。
その点、「区分」のマンションは購入価格を抑えられるうえ、初心者でも融資が受けられやすい状況が続いています。
また、それだけでなく、区分のマンションはリスク分散にもつながるメリットがあります。
例えば、立地も築年数も違う2つの区分のワンルームを所有していたとしましょう。
一方のマンションが水害に合い、大きな修繕が必要になったとしても、もう一方のマンションが同じ都内でも離れた場所にあれば影響はありません。
また、設備の交換についても、築古の物件と築浅の物件ではタイミングは異なります。
エアコンであればおおよそ10年に1度は交換が必要となりますが、同じ築年数の物件だと同時に交換の可能性もあり、1度に2台分の交換費用が発生してしまうこともあります。
投資の基本的な考え方として、同じかごの中に卵を入れてはいけません。
不動産投資も立地や築年数といった観点から、区分のマンションでリスク分散を考えて投資を行いましょう。
まとめ
安定した家賃収入が得られる不動産投資は、本業のあるサラリーマンにとっては魅力的な投資のひとつです。
しかし、地方の一棟アパート経営といった危険な条件のある不動産に手を出してはいけません。
サラリーマンが将来も安定した資産形成をかなえるには、『区分の東京中古ワンルーム』が最適です。
不動産投資を始める前には、購入後のリスクも考えたうえで始めるようにしましょう。
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