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【不動産経営マニュアル】 堅実に利益を生み出す7つのプロセス

不動産経営

 2017/5/16

不動産投資

もし来月の給料に20万円がプラスされていたとしたら、笑顔がこみ上げてきませんか?美味しいご飯を食べることもできるし、家族との付き合いにも積極的になれることでしょう。そして何よりも、将来の経済的な不安から解放されると思います。

そんな豊かな人生を選択する一つの手段として、不動産経営が挙げられます。不動産経営と聞くと、「リスクが高そう」「敷居が高そう」と思われがちですが、そんなことはありません。

なぜならば、正しい知識を身につけることによってリスクを回避することは十分可能ですし、低資金で始められるケースも存在しているからです。

そこで本記事では、不動産経営で堅実に利益を上げる7つのプロセスと、最低限知っておきたいリスク対策や予備知識をわかりやすく解説していきます。これらのポイントを知ることによって、自分の人生を豊かにするきっかけを掴めることでしょう。長期にわたって投資を成功させるためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

1.不動産経営とは?

ここでは、不動産経営を理解するために必要な「不動産経営の定義」「メリット」「デメリット」の3点を紹介していきます。

1−1.不動産経営の定義

不動産経営とは、利益を目的として不動産に金銭を投資し、管理や運営を行うことです。不動産経営は主に以下の2つに分かれます。

■アパート経営

アパート一棟を購入し、各部屋を入居者に貸し出すことで家賃収入を得る不動産投資法。

■区分マンション経営

マンションの一部屋を購入し、その部屋を入居者に貸し出すことで家賃収入を得る不動産投資法。

上記2つは、購入対象こそ異なりますが、基本的な不動産経営の流れは同様です。不動産経営の流れは、大まかに以下の3つに分かれます。(※具体的な流れは3章にて紹介しています。)

フロー

※本記事では「不動産経営=不動産投資」として進めていきます。

※本記事では「区分マンション経営」「アパート経営」を中心に進めていきます。

1−2.不動産経営の4大メリット

①不労所得が手に入る

不動産経営を行うことで不労所得が手に入ります。不労所得とは、労働が伴わない所得のことです。不動産経営の場合、入居者が住み続ける限りほとんど労働が伴わずに家賃収入が振り込まれますから、不労所得を狙える投資手法だと言えます。

②定年後も収入が得られる

もし定年を迎え仕事が無くなったとしても、継続的に家賃収入を得ることが可能です。ちなみに平均年金受給額は約23万円と言われています。不動産経営に取り組むことで仮に20万円でもプラスされたとしたら、経済的な自由度の高い老後を過ごせることでしょう。

③生命保険の代わりになる

不動産投資ローンは、一般的な住宅ローンと同様に「団体信用生命保険」が適用されます。仮にあなたに万が一のことがあった場合、ローンの無い不動産を家族に遺すことが可能になります。つまり、不動産そのものと家賃収入を受け取る権利を遺族に遺すことができます。

<団体信用生命保険とは?>

融資を受け、返済途中に返済者が死亡あるいは高度障害状態になった場合、保険金でローンの残額が返済される仕組み。

Wikipedia

④相続税の節税になる

相続税の計算対象(相続税評価額)は、現金の場合と投資用不動産(土地・建物)の場合で異なります。現金の場合、額面金額そのものが計算対象(評価額)になりますが、土地と建物の場合、割引された額が計算対象(評価額)になります。そのため、投資用不動産を持つことで相続税を安く抑えることが可能になります。

投資用不動産の場合、具体的に評価の対象となる金額は、全体の30%〜40%程度です。ただし、時価によって額が変更になるケースがありますので詳細な額は個別で確認する必要があります。

相続税評価額

1−3.不動産経営の4大デメリット

①リスクが伴う

不動産の経営には様々なリスクが伴います。例えば「借り入れリスク」「空室リスク」「滞納リスク」「災害リスク」が挙げられます。それぞれリスクの詳細を下記にまとめましたのでご覧ください。

リスク詳細

借り入れリスク

物件の購入には少なくても100万円ほどの資金が必要になります。そのため、借り入れを利用するケースが多くなりますが、その場合、月々の返済額が負担になります。(※条件よって必要資金は変動します。)

空室リスク

入居者が集まらず空室が生まれた場合、家賃収入が発生しません。これにローンの返済が重なると、継続的な負担を被ることになります。

滞納リスク

入居者の家賃に滞納が発生した場合、家賃収入が得られません。もし入居者と連絡が取れなくなると、収入を得る機会損失が発生します。

災害リスク

火災や震災など、あらゆる災害が考えられます。最悪の場合、物件が倒壊し入居者が亡くなるケースも考えられます。それに伴う賠償責任を問われる可能性もあります。

※それぞれの具体的なリスク対策は2章でお伝えしております。

②税金やコストがかかる

不動産経営を行うことであらゆる税金やコストがかかります。例えば以下のようなコストがあります。

概要
管理費 建物設備の保守管理費。例えば、エレベーターや電気設備、エントランスの清掃や消防設備の点検などが含まれます。
修繕積立金 外壁の修繕や防水工事等、将来の大規模な修繕工事に備えて、各オーナーが毎月積み立てる金額のこと。
修繕費 入居者が退去した後の内装工事費や、設備交換費等の費用です。
損害保険料 不動産にかける保険料。火災保険や地震保険が含まれます。
固定資産税 所有している土地や機械、建物などに課せられる税金のことです。
所得税 不動産経営で得た収入に対する税金のことです。

所得や購入不動産によって支払うコストは変動します。詳しく知りたい方はこちらの家賃収入に税金はどれくらいかかるのか?税金計算から確定申告までをご確認ください。

③流動性が低い

不動産は、流動性が低いといえます。なぜならば、他の金融商品に比べて価格が高い上に適正価格がわかりづらいため、需要と供給のバランスが取りにくいからです。

さらには、株式や為替と違って市場と介した取引ではなく、個々の取引がメインとなるため、売買を行うにも時間がかかりがちです。

<流動性とは?>

商品などの資産が、いかに容易に交換できるかを示す性質を言う。

Wikipedia

④不動産の老朽化

不動産経営において、老朽化は大きなデメリットとなります。なぜならば、不動産は老朽化することにより資産価値が下落するからです。それに対して、為替や株式は価格変動があっても老朽化することはありません。

2.不動産経営の失敗例と4つのリスク対策

不動産経営にリスクは付き物ですが、それ相応の対策を打つことによって失敗を事前に回避することができます。

この章では、不動産経営の失敗例とそのリスク対策を紹介していきます。リスク対策は、不動産経営を行う上でもっとも重要なポイントです。不動産経営を実践するか否かはこのポイントの理解によって判断しても良いでしょう。

2−1.借り入れリスク対策

借り入れ(ローン)は、不動産経営にとって最大のリスクと言っても過言ではないでしょう。なぜならば、空室が埋まらない場合や、物件の修繕などの出費がかさんでしまった場合、ローンの返済が生活を圧迫してしまう可能性があるからです。

■失敗例

不動産経営を始めたばかりのAさん。老後の自由を手に入れるために意気込んで情報収集を行っている。そんな中、毎月たった数万円の持ち出しで不動産経営をはじめられるという言葉に惹かれて投資を開始したしかしその後、空室の長期化や築年数の経過による家賃下落によって、赤字は拡大物件を持ち続けることが難しくなってしまった。

■対策

まずは、自分の収入や資産状況を現実的に把握し、その許容範囲を超えないような借入額を設定しましょう。借り入れリスクを被ってしまう方の共通点は、自身の資産状況を把握せずに借り入れに依存してしまうことです。自身の貯金や収入面などの資産状況を理解した上で購入可能な物件を選択することから始めましょう。

例えば、1000万の物件を購入するために800万を借り入れたとします。金利が3.2%、借入期間が15年だとすると月々のローン返済額が約6万円となりますが、少なくとも、毎月の家賃収入でローン返済額を賄えることが、不動産経営を成功させるための大前提です。

返済額と収入面を照らし合わせる方法として、こちらの投資物件簡易収支シミュレーションが使いやすいのでおすすめです。ただし、詳細な返済額(金利)は、金融機関によって変動するので個別の確認が必要です。

2−2.空室リスク対策

空室が生まれると、当然、家賃収入が得られません。無収入状態になると、借り入れや、その他の支払いの負担がダイレクトに届きますから非常に大きなリスクとなります。

■失敗例

地方で不動産を経営しているBさん。学生時代の友達に紹介してもらった管理会社に、不動産経営のほとんどの業務を依存している。家賃の設定や物件の選定もすべてお任せ状態。そのため、年月を重ねるたび、空室率がどんどん高まっている。経費を差し引いたら収入なんてないし生活がどんどん苦しくなる一方だ。

■対策

賃貸管理会社選びは不動産経営の成否を左右する重要な要素ですまた、賃貸管理会社以外にも、自分の保有している物件の価値やその週辺情報を深く知る必要があります。自分の保有している物件の価値やその周辺情報を深く知る必要があります。ここでは、最低限知っておくべき空室リスクの具体的な対策を3つご紹介します。

①適切な家賃相場に設定する

家賃が相場より高くなっている可能性が考えられます。適切な家賃に設定することで空室リスクを減らすことが可能です。

適切な家賃を設定するための第一歩は、資料集めです。具体的には以下の項目情報を抽出して、購入物件と近隣物件の情報を比較しましょう。

・賃貸条件(家賃、礼金、敷金、保証金など)

・立地条件(敷地、駅からの距離、日当たりなど)

・物件条件(築年数、間取り、入居者の水準など)

②賃貸管理会社を変更する

ひとくちに賃貸管理会社と言っても、空室を解消する能力には大きな違いがあります。そこで、集客力の強い賃貸管理会社に変更することで、入居者を集めるスピードと質が向上し、空室リスクを減らすことが可能です。

③空室になりにくい物件を選ぶ

空室になりにくい物件を選択しましょう。具体的には以下のような条件が含まれる物件であれば、空室リスクを減らすことができます。

・都市部の物件である(東京、大阪、福岡など)

・最寄り駅から徒歩10分以内である

・セキュリティが万全である(オートロックや防犯カメラが付いている)

・バス、トイレが別で住み心地が良い物件である

2−3.滞納リスク対策

入居者の家賃の支払いが滞ってしまうと、家賃収入を得ることができません。かといって、すぐに入居者を追い出すのも困難ですし、そもそも連絡がつかない場合もあります。

■失敗例

不動産経営を始めて3年目のCさん。引っ越しシーズンに伴って新しい入居者との契約がスタートした。当初は良好な関係性であったが、半年経った頃から家賃の未払いが続いている。催促の連絡をするものの音沙汰がなく、電話すら通じない。毎月の家賃を受け取れずに、赤字の状態が続いているため生活が苦しくなってきた。

■対策

家賃の滞納は、後手に回るほど回収が困難になります。そこで、第一に考えるべき対策は、滞納家賃の回収専門家に任せることです。もちろんあなた自身の手で回収できるに越したことはありませんが、その後の余計なトラブルを考慮すると、滞納解消のノウハウを持つ専門家に一任することが一番の解決策です。

例えば、賃貸管理会社が滞納対策のサポート保証を付けているケースがほとんどなので、一度管理会社に確認してみましょう。しかし、オプション契約であるケースや、保証金額や期間に差がある場合があるので、管理会社に相談することから始めましょう。

滞納家賃の回収や具体的な流れを具体的に知りたい方は、家賃を滞納されて困ったら!家賃回収から立ち退きまでの流れについてを読むことをおすすめします。

2−4.災害リスク対策

災害のリスクは主に、「震災のリスク」「火災のリスク」が挙げられます。不動産そのものが崩壊してしまったら元も子もありません。しかも、入居者に万が一のことがあった場合、損害賠償責任を問われる場合があるので事前に対策を打つことをおすすめします。

■失敗例

不動産の経営が順調なDさん。もう30年近く経営している物件のため、老朽化が進んできた。管理会社から耐震性に問題があると言われ、再三補強の提案を受けていたが、資金がないのでそのまま放置していた。しかし、急に訪れた大きな震災とともに物件が崩壊し、一部の入居者が亡くなってしまった。その管理責任が問われ、1億円以上の損害賠償を請求された。

■対策

火災、震災ともにリスクを軽減させる対策を以下より3つご紹介します。

1981年(昭和56年)以降に作られた物件を選択する

法律の改定により、1981年以降に作られた物件は『震度6強以上の地震で倒れない住宅』として新耐震基準法で定められています。この基準を知っているだけで、震災のリスクは抑えた物件選びができるでしょう。 

②鉄筋コンクリートの物件を選択する

木造の住宅に比べて、火災の被害が広がるリスクが軽減されます。また、全焼するほどの火災であっても2か月ほどで新築同様の部屋にリニューアルすることができます。

リニューアル

その他にも、路地や木造物件が密集しているエリアを避けることで災害リスクを軽減することができます。こちらの火災危険度ランクマップは非常に参考になります。

③物件や設備の点検を怠らない

日々の点検業務は怠ることのないよう注意しましょう。なぜならば、自然災害によって借主が怪我や死亡に陥ってしまった際に、設備の不備が見つかると家主に責任が問われるからです。

3.堅実に利益を生み出す7つのプロセス

不動産経営を行う一連の流れは非常にシンプルです。本章では、堅実に利益を生み出すまでの7つのプロセスをご紹介します。具体的には以下の通りです。

①目標数値の設定

②物件のリサーチと購入

③管理会社の決定

④入居者管理

⑤設備管理

⑥契約更新

⑦継続的な家賃収入の獲得

3−1.目標数値の設定

まずは、目標数値の設定から行いましょう。なぜならば、目標数値に応じて、不動産経営の方向性や物件の選び方が変わるからです。最低限決めておくべき項目は以下の3つです。

①投資金額

投資にまわせる現金がいくらなのかを確認しましょう。

②求めるキャッシュフロー(手取り収入)

経費を差し引いて、どれくらいの手取り収入を得たいのかを明確にしましょう。

③期限

いつまでにそのキャッシュフローを完成させたいのかを決めましょう。

不動産の経営において、リスクとリターンには正の相関関係にあります。投資金額が少なければキャッシュフローも少なくなりますし、期限を早めたいのであれば投資金額を増やす必要があります。それを踏まえた上で、それぞれ決定できると良いでしょう。

3−2.物件のリサーチと購入

次に、物件のリサーチと購入手続きを開始しましょう。物件のリサーチは非常にシンプルです。事前に決定した「投資金額」「求めるキャッシュフロー」「期限」に沿ってリサーチを開始しましょう。以下の流れに沿ってリサーチと購入を進めていきます

①地域の絞り込み

②予算の確認

③融資の確認

④投資効率の確認

⑤現地の確認

⑥物件の決定と申し込み

①地域の絞り込み

「不動産経営に適した地域かどうか」「その地域に需要があるかどうか」という視点で地域を絞り込んでいきましょう。例えば、以下のような基準で絞り込めると需要が整っていると考えられます。

・最寄り駅から徒歩10分以内である

・最寄り駅の規模が大きい(利用者数、路線本数など)

・主要駅へ1本でアクセスできる(東京でいうと、新宿や渋谷など)

・大学やスポーツジム、スーパーなど利用頻度の高い施設が近くにある

上記以外にも「住みたい街ランキング」を通じて需要を確認することができます。以下より「HOME’S 総研」参考データをもとにランキングを載せていますので、エリア選択の参考にしてみてください。

ランキング

②予算の確認

「自己資金」「借り入れ可能額」がいくらなのかを把握しましょう。地域や物件の規模によって価格が大きく異なりますので、予算は事前に把握しておく必要があります。以下に物件の予算例を挙げますので参考にしてみてください。

東京23区の中古ワンルームの場合

・築浅物件(2000年以降) 1800万円~2200

・バブル期物件(1988年~1994年) 1100万円~1300万円

東京23区の新築ワンルームの場合 2500万円~3000万円

③融資の確認

金融機関によって、取り扱っている融資の種類や規定が異なりますので、詳細な審査内容や結果に関しては個別での確認が必要となります。また、収益不動産を購入する場合、不動産会社の提携金融機関から融資を受けることが一般的ですが、不動産会社によっては実績に応じて同じ金融機関でも金利が異なるケースがあります。こうした融資条件も不動産会社を選ぶ基準の一つになります。なお、2017年現在の投資用ローンの金利は1.6%〜2.0%程度の水準です。

④投資効率の確認

投資として適切なリターンを及ぼすことができるのか。その投資効率を確認していきましょう。不動産の投資効果を見極める指標は利回りを活用します。利回りには表面利回りと実質利回りの2つの種類がありますが、投資効率を判断する際には、ランニングコストまで考慮した実質利回りを用います。

表面利回り

(年間家賃収入 / 物件価格) × 100

実質利回り

((年間家賃収入-年間諸経費)/物件価格) × 100

※諸経費には、建物管理会社に支払う管理費および修繕積立金、賃貸管理会社に支払う集金代行手数料を含みます。

実質利回りで投資効率を見極める際の注意点

家賃収入額が大きいほど、実質利回りも高くなります。ただし、入居期間が長ければ長いほど、築年数が新しい時期から入居していることになるので、家賃額も周辺相場よりも高くなっていることがあります。そのため、実質利回りを計算する際にも、いまの相場家賃で計算した場合の数値を確認しておくことです。こうすることで、物件本来の収益性を見極めることができます。

⑤現地の確認

現地に足を運び、物件を含めた周辺情報まで確認することをおすすめします。なぜならば、表面的な物件情報だけだと、実際の住み心地やその地域の利便性が判断しにくいからです。たとえば、最寄り駅から徒歩10分であっても、駅から物件まで商店街があって距離を感じさせない場合や駅からの距離が近くても、特殊繁華街に近いために住環境が良くないこともあります。

居住者に、長く住み続けてもらうためにも、生の情報を知っておくことは大切です。その中でも、チェックしておくべき6つの項目を以下に挙げていきます。

1.臭気

・下水道の有無

・工場の排煙

・排気ガスの影響 など

2.騒音

・車や電車の交通状況

・小学校や幼稚園などの子供の声

・病院や消防署などのサイレン音 など

3.日照

・物件に対して南側に位置する建物や看板

・その他工作物による日照状況 など

4.湿気

・虫の出現を促す茂みや空き地の存在

・水路等による湿気状況 など

5.安全性

・街灯の有無や、通勤もしくは通学路の確認

・駅までの道のりの雰囲気の確認 など

6.忌避施設

・墓や葬儀場

・風俗施設やラブホテル

・ゴミ屋敷などの住み心地を左右する施設の確認

⑥物件の決定と申し込み

リサーチで物件を絞り込み、融資を含めた資金面に問題がなければ、不動産会社にて購入の申し込みへと移ります。ただし、購入の申し込みの場では、購入意思の確認や契約に進む上での条件調整が伴います。ネット上で掲載されている条件と実際に提示される条件(物件価格などの詳細情報)が異なるケースや、突然のキャンセルが起きてしまうケースがあるので、しっかりと内容を精査しましょう。

3−3.賃貸管理会社の決定

不動産経営は収益不動産を購入して終わりではありません。不動産経営で成功するためには、購入後の管理が大変重要なポイントです。

不動産の管理には、賃貸管理と建物管理の二つがあります。両者の区別をまずはしっかりと認識しておくことからはじめましょう。

■賃貸管理の業務内容

入居者募集や入居者からのクレーム対応、家賃の集金、内装工事の手配など、いわゆる大家としての仕事を代行するのが賃貸管理です。

《主な賃貸管理の内容》

・入金管理

・家賃滞納の対応

・家賃明細の作成

・クレーム対応

・緊急トラブル対応

・法律関係の対応

・リフォームの発注

・退去時の立会い

■建物管理の業務内容

マンションの日常清掃やエレベーターの保守メンテナンス、長期修繕計画の立案など、マンションを長期に渡って安定して稼働させていくために行うのが建物管理です。

《主な建物管理の内容》

・日常清掃

・エレベーター保守メンテナンス

・水槽点検

・消防点検

・植栽管理

・大規模修繕工事計画の立案・実施 など

分譲タイプのマンションの場合、賃貸管理と建物管理はそれぞれ別の不動産会社が受け持ちます。建物管理はマンションオーナーによって組織されている管理組合によって専任、委託を受けて建物管理会社が管理を行いますが、賃貸管理会社は、部屋や入居者にまつわる管理を行うことになるので、各オーナーが個別に契約することになります。

大家としての仕事は、過度な労働量が伴う可能性があるので、「自主管理」ではなく「管理会社利用」を選択しましょう。賃貸管理会社の選び方の3つのポイントを紹介します。

※ここから先は管理会社に任せる業務内容です。ただし、不動産経営の責任者としてこれらの内容を理解していただくことをおすすめします。

■賃貸管理会社選びのポイント

①賃貸付けの強さを確認する

賃貸付け(いわゆる集客)の強さを確認しましょう。最低でも3社の担当者とアポイントメントを獲得し、賃貸付けの強さがどれくらいなのか、もしくは入居率がどれくらいなのかをヒアリングしましょう。

間違っても、管理手数料の安さや、サービスの種類で比較してはいけません。不動産経営を確実に成功させるために必要なのは、第一に入居者を獲得することです。

②滞納家賃の回収能力

滞納された家賃を素早く回収することも、賃貸管理会社選びの大切なポイントです。

滞納は空室と同様に、家賃が途絶えてしまうので、長期にわたると不動産経営自体が破たんしかねません。滞納回収に強みを持つ賃貸管理会社か確かめるには、「2か月以上の滞納件数が何件あるのか」聞くことです。

1ケ月以内の滞納は入金を忘れてしまっているケースもありますが、2か月連続の滞納は長期化につながる可能性があります。。 月末時点で2か月以上滞納している割合は全国で1.5%程度です。(例:管理戸数10,000戸の場合、滞納件数150戸)(日管協短観より)

この数値を目安に滞納率を確認してみましょう。

③トラブル対応力

漏水や騒音トラブルの解決に時間がかかってしまうと、入居者が退去することになり、空室が発生してしまいます。

そのため、入居者トラブルの解決も、賃貸管理会社選びの重要なポイントです。

この入居者トラブルの解決能力については、入居者専用コールセンターの設置の有無や管理スタッフの人員数があげられます。ちなみに当社では約17,000戸の管理物件を約100名で管理しています。管理戸数あたりの人員の目安として活用ください。

3−4.賃貸管理(入居者管理)の主な仕事

入居者の管理は大きく分けて以下の3つに分かれます。具体的な業務内容を見ていきましょう。

■賃料の管理

指定口座へ家賃が振り込まれているかの確認を行います。もし入金ができていない場合は、入居者へ直接連絡しましょう。それでも入金されない場合は、家賃滞納として対応を進める必要があります。

■クレームや苦情の対応

もしも、クレームや苦情があった場合は、早急に対応を進めることが大切です。なぜならば、入居者のプライベートを守る住まいにおいて、信頼関係の喪失は大きな損失につながるからです。例えば、設備の故障や不備における生活の支障、近隣住民とのトラブルや騒音などが当てはまります。

■契約管理

契約の更新や退去の手続きを行います。具体的には以下のようなサイクルで行います。 

①入居者の更新意志を確認する

契約期間の終了に近づくに伴って、更新するか、退去するか、意志の確認を行います。一般的には、契約終了6ヶ月前〜2か月前の間に、書類を送付して確認を行います。

《更新の場合》

更新に必要な書類等の準備をしましょう。更新料の受け取りや保険契約の更新が必要な場合は、これらの手続きも漏れなく行う必要があります。

《退去の場合》

退去時の立ち会いの際に室内の現状把握を行い、修繕などの原状回復方針を決定するのと同時に、借り主との費用負担割合を調整し、クリーニングなどの修繕作業の手配を進めます。

②入居者の募集

退去になった際には、新たな入居者を募集します。一般的には、不動産管理会社に仲介を依頼して募集するケースが多いです。

※契約更新については3−6で具体的に解説しています。

3−5.建物管理の主な仕事

■点検

不動産のオーナーになると「法定点検」といって、不動産の点検業務が義務化されます。具体的には以下の3つに分かれます。

①消防設備の点検

詳細な機器の点検は年に2回、総合的な点検は年に1回行う必要があります。消防設備の点検は「消火設備」「警報装置」「避難設備」「消防防水」「消火活動上必要な設備」に分類されます。これらの点検を全て終えた上で、問題なく利用できていることを確認し、管理者はその旨を管轄の消防署長へ報告しなければなりません。

②貯水槽の点検

入居者の飲料水となるので、貯水槽を点検し衛生面の確認を行う必要があります。こちらは年に1回の点検が義務づけられています。

③エレベーターの点検

エレベーターの点検は法定上、年に1回行う必要があります。ただし、エレベーターの故障や不備は、入居者にとって大きな負担になる場合がありますので、別途メンテナンス業者と月ごとの契約を交わすことをおすすめします。

■清掃

不動産の設備管理のひとつに清掃業務があります。例えば、廊下の清掃や雑草の処理、電球の変更が挙げられます。これら清掃業務を委託する際は「管理会社経由での委託」「自ら清掃業者を探して委託」の2つのパターンがあります。

清掃業務の質に大きな変化はないですし、清掃業者を探す手間を考えると管理会社を経由して委託する方が良いでしょう。

■空調設備

室内に付属しているエアコンは、契約内容によって管理範囲かそうでないかが異なります。ですので、契約書を作成する時点で、設備管理の範囲にするか否かを明確に決めておきましょう。

そうでないと、エアコン故障時の入居者とのトラブルになりかねません。必ず明記しておきましょう。

3−6.契約更新

一般的には賃貸の契約は2年となっているケースがほとんどです。2年ごとのサイクルで契約更新の手続きを行う必要があります。契約更新の手順は以下の4つのステップに分かれます。

①契約期間満了のお知らせ

契約期間が満了するお知らせを入居者に伝えます。一般的には、契約終了6ヶ月前〜2か月前の間に、書類を送付して知らせます。可能であれば、この時点で契約更新の意志を確認しておきましょう。

②更新手続きに必要な書類の準備と郵送

更新の手続きに必要な書類を準備し郵送しましょう。もしくは不動産管理会社に直接お越しいただく旨を伝えましょう。

具体的には、「更新手続きの契約書類」「更新手続き場所や日時、更新料と振込先、振込期限を記載した書類」「火災保険更新の契約書類」を郵送する必要があります。

③更新料と必要書類の受け取り

更新料の入金確認と、必要書類の記載にミスがないか確認をします。もし、記載にミスがある場合は、今後の契約内容の理解に相違が生まれてしまうなどのトラブルの要因になりますので、しっかりと確認しましょう。

④更新書類の返送

入居者の控えとして更新書類を返送する必要があります。記載ミスがないことを確実に確認し返送しましょう。

3−7.継続的な家賃収入の獲得

契約の更新が済めば、また新たな2年のスタートです。「ゴールの設定」から「入居者の獲得」「入居者管理」「契約の更新」といったサイクルをトラブルなく繰り返すことで、継続的な家賃収入を獲得することができます。

4.最低限抑えておきたい税金と法律の話

不動産に関わる法律は主に「民法」「不動産登記法」「借家借地法」「建物の区分所有に関する法律」の4つに分かれます。その中でも最低限おさえておくべき税金と法律の話を以下より紹介していきます。

4−1.税金の種類

税金は支払いの義務があります。想定外の出費にならないように、事前にどんな税金が発生するのかを把握しておきましょう。ここでは、最低限知っておくべき税金の種類を4つご紹介します。

①所得税

不動産経営で得られた収入に対する税金です。不動産所得税の計算はやや複雑です。まず、不動産所得に給与所得を合算します。そこから、各種控除額を差し引いた課税所得額を算出し、この課税所得額に応じた所得税率が適用されて計算されます。

計算方法

早見表

例えば、以下のような計算の流れです。

【例】給与所得:600万円 不動産所得:150万円

※所得控除金額は100万円とする

①課税所得金額を求める

給与所得600万円-所得控除金額100万円+不動産所得150万円

=課税所得金額650万円

②所得税率を求める

課税所得金額650万円

所得税率(早見表より)20

③不動産所得にかかる所得税額を計算する

不動産所得150万円×所得税率20

所得税額(不動産所得)30万円

②不動産取得税

不動産を取得(新築・増築を含む)した際に、都道府県が課税する税金のことです。一般的には、不動産を取得してから6ヶ月~1年半くらいの間に各都道府県から案内の書類が届きます。

概要 備考
課税対象 住宅の購入、新築、増築、改築、贈与 相続による取得の場合は非課税となる。
税率

《建物の場合の計算式》

(固定資産税評価額-1,200万円)×3%

平成30331日までは税率3%だが、以降は4%での計算となる。

《土地の場合の計算式》

(固定資産税評価額×1/2×3%)-控除額

平成30331日までは税率3%だが、以降は4%での計算となる。

さらに、1/2を含めた計算式も上記日時までとなる。

③登録免許税

不動産を取得したのち、引き渡しと同時に登記の申請を行うことになります。この時に必要になる税金が登録免許税です。登録免許税の税率は、登記の種類によってそれぞれ事細かに定められています。ここでは、大まかに3種類の税率の計算方法をご紹介します。

種類別 計算方法
所有権保存(新築建物)の登記 (建物価格)×1000分の4
所有権移転の登記 売買での移転 (不動産価格)×1000分の20
贈与での移転 (不動産価格)×1000分の20
相続での移転 (不動産価格)×1000分の4
住所変更の登記 (不動産の個数)×1000

④固定資産税

毎年1月1日に不動産を所有する方が納める税金のことです。以下より大まかな固定資産税の計算方法をご紹介します。なお、税額はその不動産の価格によって変動しますので、個別で詳細の確認をすることをおすすめします。

計算方法
建物の場合 土地評価額×1.4%(〜2.1%)
土地の場合 建物評価額×1.4%(〜2.1%)

4−2.住宅ローンと不動産投資ローンの関連性

不動産経営を本格的にスタートしようと思うと、ほぼ間違いなく融資の壁にぶつかります。ここでは、ローンを組む際に知っておきたい「住宅ローンと不動産投資ローンの関連性」についてご紹介します。

①不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、投資を目的とした不動産を担保にし、金融機関から融資を受けることです。

②住宅ローンと不動産投資ローンの決定的な違い

住宅ローンは住まいのために行う融資のことなので、そもそも不動産投資ローンとの目的が異なります。下記にてそれぞれの決定的な3つの違いをご紹介します。

■審査基準が違う

住宅ローンの場合、年収や勤務先、職種といった返済能力に対して審査が行われますが、不動産投資ローンの場合、不動産経営の事業計画や採算、可能性に対して審査が行われます。

■審査の通りやすさが違う

住宅ローンの場合、支払いの安定性が評価されますが、不動産投資ローンの場合、トラブルや障害などの不安要素が強いため、審査が厳しくなりがちです。

■金利の設定が違う

住宅ローンの場合、金利が0.4%3%が一般的ですが、不動産投資ローンの場合、金利が1.5%〜4%に設定されていることがほとんどです。

③不動産投資ローン審査の4つのポイント

■年収の高さ

サラリーマンであれば年収が高ければ審査を有利に進めることができます。年収500万円を超えていれば、最低限の審査は通過すると言われています。

■勤務先の規模の大きさ

勤務先の「従業員数」「資本金」「売上高」など、会社の規模が大きいと信用度も高くなるので、審査が通過しやすくなります。上場しているか上場に準じる企業規模であるかが一つの目安です。

※上記の内容は、あくまでも審査が有利になるであろうポイントです。詳細な審査条件や明確な内容は会社ごとに異なります。その点を考慮したうえで参考にしてみてください。

■勤続年数

勤続年数は3年以上あることが望ましいでしょう。なお、転職して勤続年数が足らなかった場合でも、職種に継続性があり、収入がアップするような転職の場合、融資を受けられるケースもあります。

■年齢

多くの金融幾何では、完済時の年齢と申込年齢が定められています。また、一定の年齢を超えた場合には、金利が上乗せされるケースもあるので注意が必要です。

4−3.家族に不動産を譲る2つの方法

不動産経営の良いところは、その資産を家族や親族に譲ることができる点です。不動産を贈与するには「民事信託」「相続時精算課税制度」の2つの贈与方法があります。以下より解説していきますのでご確認ください。

①民事信託

民事信託とは、家族や親族間で、財産の管理や活用、処分等を託す契約のことです。民事信託の流れは、「委託者」が不動産を家族や親戚に託し、託された「受託者」がその不動産の管理を行います。そして、不動産から発生する収益を「受益者」が受け取るというものです。

しかも、「受益者」を複数人まで設定することが可能なので、子どもが複数人いる場合にも、トラブルなく家賃収入を分配させることができます。

ちなみに、遺言の場合は財産を引き継がせるところまでしか指定できないのに対し、民事信託の場合だと配偶者への配分だけでなく、子の配分、孫の配分など、その先の受益者まで詳細に指定することが可能です。これを後継遺贈と呼びます。

《注意点》

民事信託は、委託者が意思決定能力を有している場合のみ有効です。もし、委託者が認知症を患っていたり、意思決定能力に欠けている場合は、民事信託が無効となるケースがあります。

②相続時精算課税制度

<相続時精算課税制度とは?>

原則として60歳以上の父母又は祖父母から、20歳以上の子又は孫に対し、財産を贈与した場合において選択できる贈与税の制度です。

この制度を利用することによって、贈与税が軽減されます。ただし、その代わりに贈与された財産とその合計額に対して相続税が課税されます。具体的には贈与税に対して、最大で2500万円の特別控除が充てられます。控除した後の金額に、一律20%の税率を乗じることで実際の贈与税が算出できます。

国税庁

相続時精算課税制度を利用する場合は、以下の条件を満たしている必要がありますので、事前に確認しておきましょう。

・受贈者が、子もしくは孫であること(推定相続人)

・受贈者が、20歳以上であること

・贈与者が、60歳以上であること

5.不動産経営おすすめ記事3選

■サラリーマンが不動産投資で毎月38万円の不労所得を得る超実践的手法

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6.まとめ

不動産経営にはあらゆる知識が必要になるので、少し難しく感じられたかもしれません。しかし、たくさんの知識を蓄え、入念に対策を打っておくからこそ、安心で安全な不労所得を手にすることができるのです。

ぜひこの記事を参考に不動産経営を実践してみてください。目の前の壁を越えるまでが大変ですが、その先で得られるメリットは何百倍もの価値へと変わります。この記事をきっかけに明るい未来を手にしていることを心より楽しみにしております。

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