貯金も貯まってきたので、利息の安い銀行に預けているよりも投資をして少しでも資産を増やしていきたいと思いますよね。ただせっかく貯めた貯金なのでリスクはできるだけ抑えたい。
投資信託はそんなあなたに初めやすい投資です。
なぜなら投資信託は投資のプロがあなたに変わって運用してくれるからです。
しかし、ただ商品によってはリスクが高い投資信託もあります。
初心者が安全に投資できるように、この記事では投資信託とはなんなのか、そして投資信託のメリット、デメリット、他の投資との違いを紹介します。
最後まで読んで安全に手軽に投資信託を始めましょう。
不動産投資体験談
1章 投資信託とは?
投資信託とは、個人が投資資金をプロに預け(信託し)、運用してもらう投資手法(投資商品)のことです。資金を運用するプロのことをファンドといいます。
株式投資の場合は、自分で銘柄を決めて管理し、売買する必要がありますが、投資信託の場合はプロ(ファンド)が銘柄の決定、管理、売買をしてくれます。月々1000円〜から開始できるので、貯金感覚で積立投資も可能で、とりあえず投資をしてみたいという初心者にオススメの手法です。
1—1 投資信託での投資先は株・債券などの詰め合わせ
投資信託は、個人投資家から資金を集めたファンドが多くの会社に投資するため、投資家が預けたお金は自然と多くの会社に投資されることになります。つまり、投資信託の商品1つ1つは多くの会社の株・債権などの詰め合わせなのです。
この詰め合わせの中身が値動きの安定した企業ばかりであれば、リスクの低い投資信託になり、値動きが激しい企業の詰め合わせだと大きく儲かるか可能性がありますが、リスクもその分大きくなります。
そしてこの中身を何にするのか、どうやって運用していくのかをファンドが決定し運用していきます。
その中身と運用方針に納得した投資家がお金を出し、そのお金を元に専門家が袋の中身を入れ替えたり、株・債券を売買したりするなどして利益を上げていきます。
1−2 投資信託のしくみ
投資信託は専門の機関がそれぞれの業務を行なっています。それぞれの機関がどんなことをしているのかひとつずつ確認していきましょう。
①投資信託を販売する会社(証券会社・銀行・郵便局)
投資信託を販売しているのは主に証券会社・銀行・郵便局などです。投資信託を販売しているところを販売会社と言います。販売会社によって買える投資信託の種類が違ったり、手数料が違ったりするので、投資信託を買う前にあらかじめ販売会社のことを調べておきましょう。
取り扱っている投資信託の多さ、手数料の安さから考えるとネット証券がオススメです。
②運用プランを設計し、売買の指示をする会社(運用会社)
投資信託を作り、その投資信託の運用方針を決め、どの銘柄を組み合わせるのかを決めたりするのが運用会社です。そして実際に投資信託を作り・運用する人のことをファンドマネージャーと言います。ファンドマネージャーは投資信託に定められた運用方針に従い、どの銘柄をどの程度組み入れるのか、またどのタイミングでどの銘柄を売買するのかを決めます。投資信託の運用責任者です。つまり投資信託が利益を出していくのかはファンドマネージャーの腕にかかっていると言えます。
③投資家のお金を管理して、株や債券を実際に売買する会社(信託銀行)
信託銀行は投資家から集めたお金を管理する場所です。また運用会社が信託銀行に株・債券の売買の指示を出します。その指示を受けて実際に売買をするのが信託銀行です。もし信託銀行が倒産してしまっても、会社のお金と投資家から集めた資産は別で管理するよう法律で決められているので安全です。投資信託は資産を安全に保管できる方法だとも言えます。
2章 投資信託の利益の上げ方
投資信託を買ってどのように利益を上げていくのか説明していきます。利益の上げ方は2パターン覚えておきましょう。
2−1 安く買って高く売る・値上がり益で利益を上げる方法
投資信託を買ったときの価格よりも、高い価格で売ることにより、その差額で利益を得る方法です。
例えば、投資信託の価格(※基準価額)が10,000円のときに買い、その後12,000円まで上がったときに売ったとします。そうすると差額の2,000円が利益となります。(ここでは税金や手数料は無視しています)
※基準価額とは投資信託の値段で1日1回変動します。
2−2 分配金で利益を上げる方法
投資信託がうまく運用ができたときに、利益の一部を分配金という形で受け取るとことができます。一般的には決算時に分配金は支払われます。
3章 投資信託のメリット
投資信託はどんなところがいいのか、投資信託のメリットを紹介します。ここで投資信託の良いところをしっかり把握しましょう。
3−1 資産を安全に保管できる
投資信託は販売会社、運用会社、信託銀行の3つの機関で業務を行なっています。たとえ販売会社、運用会社が倒産してもお金を管理しているのは信託銀行なので安心です。また仕組みのところでも書きましたが信託銀行が倒産したとしても、会社のお金と投資家のお金は別で保管しなければいけない法律があるので安心です。投資信託は資産を安全に保管できる方法と言えます。
3−2 専門家(ファンド)が運用してくれる
個人で株取引の知識、債券の知識など投資に関する勉強をするのは多くの時間が取られてしまいますし、大変です。投資信託はファンドがあなたの変わりに投資判断から取引まで、あなたの代わりに行ってくれます。定期的にファンドから運用状況がどうなっているのかレポートが出されますのでそれを確認すれば今自分が買った投資信託どういった状況なのか把握することができます。
3−3 海外にも手軽に投資ができる
例えばこれからベトナムが伸びそうだなと、あなたが考えたとします。そう思ってもベトナムの企業はよくわからないですし、情報もそんなに入ってこないので投資するのは難しいと思います。そんなときはベトナムの株に投資する投資信託を買えば、ベトナムの経済に詳しいファンドマネージャーがあなたの変わりに運用してくれます。
3−4 手軽に分散投資ができる
投資信託の最大のメリットは分散して投資をすることができることです。例えばソニーの株だけ100万円買っていたら、ソニーの株が大幅に下がった場合に大きな損失が出てしまいます。しかし、投資信託は多くの企業の株・債券を少しずつ持つことになるので一社の株価が下がっても全体で見たら大きな影響はありません。
分散投資しておけば大きく利益を上げる可能性も減りますが、大きく減らす可能性も下がりますので安全に運用するために分散投資をする必要があります。
個人で株を買って分散投資をすることもできますが、大きなお金が必要になりますし、リスク管理の労力も時間もかかります。投資信託ならこの分散投資を運用会社が投資家から集めたお金で行ってくれます。
4章 投資信託のデメリット
投資信託を行う上でどんなデメリットがあるか説明していきます。理解しないまま投資信託を買ってしまうと思わぬ損をしてしまう可能性もあるのでしっかり確認して理解しましょう。
4−1 手数料が掛かる(販売手数料、運用手数料、信託財産留保額)
販売手数料
販売手数料は投資信託を買うときにかかる料金です。同じ投資信託でも販売手数料は販売会社によって違います。手数料は無料のものから高くて年4%ぐらいです。また、購入金額によって販売手数料を変える投資信託やノーロードと言って販売手数料が無料の投資信託もあります。
運用手数料
注意してもらいたいのがこの運用手数料です。これは投資信託を保有している間のランニングコストになります。投資信託によってこの運用手数料が違うのですが、年率約0.05~3%掛かります。数字だけみると気になりませんが、もし100万円の投資信託を購入して2%の運用手数料だった場合、毎年2万円は手数料で取られることになります。運用手数料が高いといい利益が出る投資信託と考えてしまいそうですが、そう言うわけではないので運用手数料が安い投資信託を選ぶようにしましょう。
信託財産留保額
投資信託は信託期間といって、あらかじめ運用期間が決められています。投資信託によって違ってきますが、10年程度が一般的です。この期間に満たないうちに投資信託を手放すと信託財産留保額がかかります。金額は売却時の価格に対して0.1〜0.5%ほどが信託財産留保額として引かれます。
4−2 元本保証はない
銀行に預けている場合は、預けているお金は返ってきますが(元本保証あり)、投資信託は預けたお金が返ってくる保証はなく、減ってしまう可能性があります。そのリスクがあるからこそ資産が増える可能性もあるのです。
5章 初心者はインデックス投資から始めよう
投資信託の運用方針で大まかに分けて、インデックスファンドとアクティブファンドと呼ばれるものがあります。初心者はよりリスクの小さいインデックスファンドでの投資信託をおすすめします。
それぞれの違いを知ることは投資信託で失敗しないために重要なことなのでこの章でしっかり理解しましょう。
5−1 インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは※日経平均株価や※TOPIXなどニュースでよく聞く指標と連動する投資信託です。ニュースなどで「今日の日経平均株価は先日より200円上がって12,000円でした。」というのを聞いたことがあると思います。インデックスファンドはこの株価と同じ金額になるよう機械的に運用しています。つまり日経平均株価がどんどん上がっていけば、日経平均株価と連動した投資信託も利益が出ます。しかも指標に連動するよう機械的に運用していますので、人件費もあまりかからず、手数料が安く設定されています。
また、インデックスファンドで運用した場合、利回りは4〜6%と言われています。もちろん、その年によってはもっと増えるときもあるますし、マイナスになるときもありますが、銀行の定期預金0.02〜3%と比べると200倍近い利回りとなっています。
※日経平均株価
東証一部に上場している企業の中から225社を選び、その225社の銘柄の平均株価。トヨタやNTTなど日本を代表する企業が選ばれています。この平均で日本の相場全体の流れを読み取る指標です。
※TOPIX
東証一部に上場している全銘柄の時価総額の合計を全銘柄で割った数字です。
時価総額は、株価×発行済株式数、で表します。
TOPIXは日経平均よりも会社の数が多く(1800社以上)、会社の規模も考慮されているのでよりバランスの取れた指標です。
5−2 アクティブファンドとは?
アクティブファンドとはプロが株や債券を選んで運用し、市場(日経平均など)の平均以上の利益を目指す投資信託です。どの会社の株がより儲かるのか、どの国の債権を買えば儲かるのか、などをリサーチして運用します。そのため人件費が多くかかるので、手数料が高くなります。
インデックスファンドとは異なり、ファンドの方針を見極めることが重要となるため、初心者には難しいでしょう。
アクティブファンドは利益が出ているのか?
気をつけて欲しいのはプロが積極的に運用しているからといって、利益が出ているわけではありません。インデックスファンドの値動き(日経平均株価などの値動き)を上回っているアクティブファンドは3割程しかありません。半分以上のアクティブファンドはインデックスファンドよりも利益が出ていないことになります。
投資信託でアクティブファンドが多い理由
銀行などで勧められる投資信託はアクティブファンドが多いのですが、これは販売手数料、運用手数料が高いので販売会社が儲かるからです。販売手数料、運用手数料が高い投資信託を売れば販売会社は儲かるので積極的に営業をします。
例えば運用手数料が2%の投資信託を200万円で購入したとすると、毎年4万円の運用手数料が取られます。この投資信託を保有していたら10年間で40万円も手数料だけでなくなります。アクティブファンドを販売会社に勧められたら、想定利回りに目を奪われることなく、一度冷静になって考える必要があります。※最近は販売手数料が無料のアクティブファンドも増えてきました。
インデックスファンドとアクティブファンドの販売手数料、運用手数料の例
6章 投資信託の購入方法
投資信託の購入方法はネット、窓口の2つがあります。基本的には長期で運用することを考えると運用コストの低いネット証券がおすすめです。ここではネット、窓口購入の2つについて解説します。
6−1 ネット証券
証券口座の開設から投資信託の売買まで全てネット上で行います。
時間や場所を問わずに取引でき、運用コストも格安なのが特徴です。投資信託は毎月一定額を積立投資するのが一般的で、この手法を取るのであれば毎月の運用コストが安いネット証券がおすすめです。
ただ、わからないことがあってもアドバイスをくれる人はおらず、自分で調べないといけないため、調べることが苦ではない人向けと言えます。
ネット証券の口座も様々ありますが、大手であれば取り扱っている投資信託商品も似ているのでどれを選んでも特に問題はありません。
口座開設の費用は無料ですし、口座開設時にキャンペーンを行っているネット証券もありますので、その時にお得なものを選ぶのも良いでしょう。
<大手ネット証券の特徴>
SBI証券 | マネックス証券 | 楽天証券 | |
口座開設費用 | 無料 | 無料 | 無料 |
低コスト商品の取扱 | あり | あり | あり |
最低積立金額 | 500円 | 1000円 | 1000円 |
始めてみて、使いにくい・分かりにくいということであれば、また別の証券会社の口座を開設すればよいので、まずは口座を開設し、スタートラインに立ちましょう。
6−2 窓口で購入する(証券会社・銀行・郵便局)
証券会社・銀行・郵便局の窓口で購入することができます。窓口購入のメリットとしては、わからないことを直接相談できたり、注文ミスをする心配がありません。ただし、ネット証券に比べて手数料が高かったり、商品数が少ない、セールストークに乗せられてしまう可能性があるなどのデメリットもあります。
信頼できる担当者であれば、あとはコストの問題だけですが、誰も知らない、何も知らない初心者の方は情報収集として話しを聞きに行くだけでもいいかもしれません。
まとめ
投資信託とはなんなのかイメージはできましたでしょうか。
覚えておいたほうがいいことを再度確認してみましょう。
・投資信託は株・債券の詰め合わせ
・投資信託は箱に入っている株・債券を少しずつ買っている(分散投資)
・投資信託は手数料が掛かる(特に運用手数料を注意する)
・インデックスファンドは指標に合わせて機械的に運用しているので手数料が安い
・アクティブファンドはプロが手間をかけて運用しているので手数料が高い
・アクティブファンドを勧められたら注意する
投資信託を始める前にこちらの記事も是非ご覧ください。
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