アパートとマンションの違いはどこにあるのか。実は、明確にアパートとマンションを区別している基準はありません。ただ、明確な基準はありませんが、建物を形作っている構造がどのようなものによるかで、ある程度の区別がされています。ここでは、どのような構造がアパート、マンションと呼ぶのかをまず明らかにします。
さらに、アパートとマンションを住み心地と投資先としてはどうなのかという視点に分けて、それぞれのメリットとデメリットもご紹介していきます。
不動産投資体験談
目次
1. アパートとマンションの違い
アパートとマンションを明確にわける基準はありません。しかし、おおむね次のような物件の構造・特徴によりアパートとマンションを分類しています。
アパート
- 木造
- 軽量鉄骨造:鉄骨が6mm以下の鋼材で作られた建物。大手ハウスメーカーによるアパート建築で多く用いられています。
- 準耐火構造
- 2階までの低層住宅
マンション
- 鉄筋コンクリート造
- 鉄筋鉄骨コンクリート造
- 耐火構造
- エレベーターあり
- 3F以上の高層住宅も可能
アパートとマンションの区別の仕方が分かった次は、アパートとマンションを住まいとしての視点から、メリットとデメリットを見ていきたいと思います。
2. 『住まい』としてのアパートとマンション メリットとデメリット
ここでは、賃貸物件として部屋を借りる入居者の視点から、アパートとマンションのメリットとデメリットをご紹介します。
2-1 住まいとしてのアパートのメリットとデメリット
メリット
アパートはマンションに比べて家賃が3,000円~5,000円程度安いことが特長です。
デメリット
アパートのデメリットは、騒音、防犯、振動の3つです。
・騒音問題
建物の構造上、隣室の生活音が聞こえやすく、トラブルになりやすい。
・セキュリティが不十分
オートロックが設置されているアパートは少なく、防犯面で不安が残る。
・振動問題
幹線道路に沿い等にあるアパートで大型のトラックが走行すると、建物全体がわずかに振動することがある。
2-2 住まいとしてのマンションのメリットとデメリット
メリット
マンションはアパートと構造や設備の面で充実しており、防犯、遮音性、耐震性に優れています。
・防犯面で優れている
オートロックはもちろん、防犯カメラが設置されているなど、セキュリティがしっかりしている。
・遮音性に優れている
鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造のため上階、隣室の生活音が気にならない
・耐震性に優れている
鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造のマンションは地震に強い。特に、昭和56年に施行された新耐震基準によって作られたマンションは耐震性に優れている。
デメリット
見た目や設備が充実している分、アパートよりも家賃が高く設定されています。
3. 『投資先』としてのアパートとマンション メリットとデメリット
住まいとしてのアパートとマンションの特徴を見比べた後は、今度は投資先としての視点から、れぞれの物件のメリットとデメリットをご紹介します。
また、ここで紹介するマンションは、マンションの1室を投資先とするワンルームマンション投資ではなく、1棟マンションです。
3-1 投資先としてのアパートのメリットとデメリット
メリット
アパートは建築コスト、購入価格が安い分、利回りが高く、メンテナンスコストが手ごろなのが特徴です。
・建築単価が安い 坪単価30~40万円
・手取り利回りが高い 6%~10%(都内木造アパート)
・メンテナンス費用が安い マンションのおよそ2割程度
デメリット
アパートは木造が多いため、その特有の構造が原因となるデメリットがあります。
・建物の劣化が早い
マンションと違い廊下やエントランスなど、共有部分が外気に接している箇所が多いため、建物の劣化が早い。手すりの鉄部などはすぐに錆びてしまうので、定期メンテナンスは必須。
・火災リスクが高い
木造のため、1室で発生した火災がアパート全室に及ぶことがある。
・騒音問題
生活音でトラブルになりやすく、場合によっては退去につながることもある。
・セキュリティが不十分
オートロックがついていないアパートが多く、防犯意識の高い女性からアパートを敬遠されるケースがある。
3-2 投資先としての1棟マンションのメリットとデメリット
メリット
マンションは鉄筋コンクリート造のため災害に強く、設備も充実しています。
・火災・地震に強い
鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造のため地震や火災に強い。
・入居者からの人気が高い
防犯性や遮音性など、生活環境がアパートに比べて優れているため、入居者からの人気が高い。
デメリット
1棟マンションの場合、構造上どうしても価格が高くなってしまい収益面で見劣りします。
・建築コストが高い 坪単価120万~140万
・利回りが低い 4%~6%(都内1棟マンション)
・メンテナンスコストが高い
エレベーターの保守費用や法定点検など、アパートに比べて費用がかかる
まとめ
アパートとマンションを分ける定義は定められていませんが、構造や設備によって区別されます。住まいとしての環境はマンションの方が優れており賃貸需要もありますが、投資先として1棟マンション投資を考え投資効率や金額の大きさがネックになります。これがおなじマンションでもワンルームマンション(ひと部屋単位)になると、投資効率もぐっと高まります。
ワンルームマンション投資の特徴やアパート経営のリスクについては以下の記事でもまとめてありますので、あわせてご覧ください。
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