不動産の鑑定評価には、いくつかの測定方法があります。代表的な方法が積算価格です。
積算価格について、計算方法が紹介されているサイトは良く見かけますが、価格が分かったところで、活用の仕方が分からなければ、意味がありません。この記事では、積算価格の計算方法を確認しつつ、積算価格をフル活用することで不動産投資を加速させる方法と注意点について紹介しています。それでは、一緒に見ていきましょう。
不動産投資体験談
1.積算価格と計算方法の確認
積算価格とは、建築費と土地値を元に、物件価格を計算したものです。不動産の建築費が2,000万円で、土地値3,000万円であれば、積算価格は5,000万円ということになります。
建築費や土地値を元に不動産価格を求める計算方法は、積算評価または原価法ともいいます。
積算価格の計算は上記に書いた通りです。価格が知りたければ、なにも自分で計算する必要はありません。不動産会社に確認すれば、教えてもらうことができるはずです。
収益還元法に関する記事はその価格は適正か?収益還元法を使いこなして物件価格を確かめるに記載しておりますので、そちらも合わせてご確認ください。
2.積算価格と物件価格の違い
誤解がないように説明しますが、積算価格が5,000万円だからと言って、物件価格が5,000万円になる訳ではありません。
物件価格は、売り手と買い手の間で決まる実勢価格です。不動産を相場より高く売りたいと思っても、納得する買い手が現れなければ、成立しません。
売り出しの物件価格は、売り手の希望価格に過ぎません。
高い将来性が見込める都心の駅から近い不動産ほど、買い手が増えて物件価格も高くなります。
一方、積算価格には、将来性や売買の需要といった観点は、計算に含まれていません。あくまで、建築費と土地値から、現在の不動産の価値を求めるのが積算価格です。
次は、この積算価格がどのように使われているのか、見ていきましょう。
3.金融機関の融資は積算価格を基準としている
金融機関は積算価格を元に、不動産投資のローン融資額を決定しています。融資限度額は、積算価格の7割が目安です。不動産の積算価格が5,000万円なら、3,500万円まで融資を受けることができます。
4.積算価格を把握して投資を加速させる方法
積算価格を把握し、ローンを活用することで不動産投資を加速させることができます。積算価格を元に計算されたローンの融資額と物件価格が、わずかなかい離であれば、少ない頭金で不動産投資を始められるからです。
積算価格が5,000万円なら、ローンの融資限度額は7割ですから、3,500万円までローンの融資を受けることができます。物件価格が5,500万円であれば、頭金は2,000万円。物件価格が4,500万円であれば、頭金は1,000万円が必要です。ローンの融資限度額と同じ物件価格が3,500万円なら、頭金無しでも購入できます。積算価格を知ることは、ローンを活用するうえで、大きな目安となり、資産形成のスピードを加速することができます。
5.積算価格の注意点
積算価格を無視して、物件価格だけを見て購入を決めた場合、全くローンを利用することが出来ないこともあります。また、積算価格が物件価格を上回っている物件も要注意です。売買の需要が低い地方や郊外の駅から遠く離れた場所で、周囲は田んぼや畑ばかりに囲まれた利用価値が低い不動産である可能性が高いからです。都心の不動産であれば、積算価格が物件価格を上回っていることは、まずありません。
ただし、積算価格が物件価格を上回っている不動産は、全てが危ないかというとそうとも言い切れません。何かしらの事情から、売主が早く不動産を手放したいと考えた場合、相場よりも低い物件価格として、市場に出てくることも考えられます。
いずれにしろ、積算価格だけで、物件の購入を決めてはいけません。
まとめ
不動産のポータルサイトで収益物件を探しても、積算価格の記載はありません。あくまで積算価格は融資を受ける指標に過ぎませんが、不動産投資を加速させるためには大切な指標です。
物件価格や利回りだけで物件を選ぶのではなく、きちんと積算価格を把握してから、投資計画を立てるようにしましょう。
コメント