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不動産投資信託(リート)を成功させるために知っておくべき全知識

不動産投資信託

 2019/9/19 更新

不動産投資

えっ!?不動産投資信託ってなに?実際の物件持たなくても不動産投資ができるの??

不動産投資に興味を持って、挑戦してみたいと思っても、自己資金が足りなかったり、ローンを組める条件が揃っていなかったりで始められない方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?

実は、投資信託の仕組みを使って不動産に投資ができる「不動産投資信託(J-REIT)」という投資方法が存在します。

そこで今回は、不動産投資信託とは?を分かりやすく解説し、更に、始めるための準備や考え方を詳しくお伝えいたします。

不動産投資信託の仕組みを理解し、ぜひ不動産投資家の第一歩を踏み出してみてくださいね。

 

1 不動産投資信託とは?

不動産投資信託とは、一般的にJ-REIT(じぇいりーと)と呼ばれ、分類的には投資信託の仲間になります。投資信託とは、個人(投資家)が投資資金をプロの投資家に預け(信託し)、運用してもらう投資手法(投資商品)のこと。つまり、不動産投資信託は、資金をプロに預け、代わりに不動産物件(マンション、オフィス、テナントビルなど)を購入、運用してもらい、その家賃収入や売買で得た利益を分配してもらうことで利益を得るという手法の投資商品になります。

リートの仕組み

不動産投資信託が生まれた背景

不動産投資信託が誕生したのは2001年で、株や債券といった商品に比べると、まだまだ若い金融商品を言えます。誕生したきっかけは、1990年初頭のバブル崩壊と言われています。この時、金融機関は巨額の不良債権を抱え、その解決には、債権の担保になっていた不動産の取引を円滑にする必要がありました。
そのために導入されたのが「不動産の証券化」です。証券化することで、投資家に小口化した(1口が安い)商品を売ることができるようになりました。
以前は数千万〜数億円の出資金が必要だったために、なかなか売買されなかった不動産が、この仕組が誕生したことで、多くの投資家が資金を集めて購入できるようになり、不動産の売買が進むようになりました。
このような背景があったおかげで、不動産投資信託が誕生し、少ない資金でも不動産に投資することができるようになったというわけです。

2 不動産投資を投資信託で行なうことのメリット・デメリット

2−1 メリット

■配当金が高い

不動産投資信託を所有していると半年ごとに配当金が支払われます。平均利回りは※4.14%と高く設定されています。

※参考:JAPAN REIT|利回り一覧2017年年9月25日現在)

普通預金の金利が0.02%、東証一部上場企業の平均配当利回りでさえ1.62%(20179月現在)という数字を考えると、不動産投資信託は配当金が高いと言えます。

 

■少額(1万円程度)から実物不動産に投資をすることができる

不動産投資へ投資するには数百万〜数千万、大きいものだと億を超えるものも存在しますが、不動産投資信託であれば、1万円程度から投資することが可能です。また、積立で少しずつ投資することもでき、貯金間隔で行なうこともできます。

 

■複数の物件に投資することが可能で、それが分散投資となりリスク軽減につながる

不動産物件は11つが高額で、個人が複数持つことは難しいですが、不動産投資信託であれば、複数の不動産に投資をすることができます。このことを「分散投資」と呼び、投資対象を分散させることでリスクの軽減を図ることができます。(※詳しくは後述)

 

■不動産選びの目利きが必要なく、安定した利益が出る確率が上がる

不動産投資において、不動産物件の選び方はとても重要です。選び方の良し悪しで損益が決まってしまうからです。選び方は知識と経験が必要ですが、それをプロが行ってくれるため、不動産選びの目利きは必要ありません。

 

■物件管理の手間が不要でほったらかすことが可能

物件の維持や各種管理等も、プロが行ってくれるため、通常の不動産投資ではかかってしまう手間を省くことができます。つまり、1度購入してしまえばほったらかしで運用することが可能となります。

 

2−2デメリット

■投資元である投資法人が破たんしてしまうと、多額の損失が発生する

金融・経済等の落ち込みにより、投資法人の資金繰りが悪化してしまった場合、倒産、または上場廃止となるケースも考えられます。その場合、投資先商品の価格が大幅に下落し、大きな損害となる可能性があります。

ただし、投資法人が保有していた不動産を売却することで生まれた売却益は、投資家に分配される仕組みとなっており、保有している不動産の価値がゼロになるわけではありません。

 

■実物の不動産に間接的に投資をしていることになるため、不動産市況全体の落ち込みには同様に影響をうけることになる

不動産投資信託は間接的に実物資産の不動産に投資を行っていることになります。そのため、不動産市況全体が落ち込みを見せれば、同様に不動産投資信託も影響を受けることになります。

また、その不動産投資信託が保有している物件に、地震や火災などの災害、また物件の老朽化など、その物件に損害が発生した場合も同様に、影響を受けてしまいます。

 

■実物不動産投資と比べると価格変動リスクが大きい

実物の不動産投資と比べると、価格変動リスクは大きいと言えます。証券化された不動産は売買が容易かつ頻繁に行われるため、価格の変動が激しく、損益が大きくなります。実物不動産に比べると、価格が安定しないという面は理解しておきましょう。

 

3 始めるために必要な準備

これまで、不動産投資信託の基礎を学んできました。

ここからは、実際に始めるための準備を進めていきましょう。

3−1 証券口座開設

不動産投資信託を購入するには証券会社に口座を開く必要があります。大手の証券会社であれば、扱っている商品に差異はありませんので、以下の3社から選んでおけば問題ありません。

 

1. SBI証券(おすすめ)
オリコン顧客満足度ランキング、ネット証券部門において10度の1位を獲得しています。第3者の声として評価が高いのは信頼の証です。

2. 楽天証券
みなさんご存知の楽天が運営しています。楽天銀行との口座提携や、楽天ポイントに還元できるなど、普段の生活との親和性が高い点がオススメです。

3. カブドットコム証券
三菱UFJフィナンシャル・グループが運営しています。大手が運営している安心感は投資を実践する上で心強いです。

 

3−2 NISA口座開設

上述した非課税の恩恵を受けるには、NISA口座の開設が必要不可欠です。

証券口座開設が完了したら、※1次にNISA口座を開設しましょうNISAの資料を取り寄せ、必要事項を書いて提出するだけで※2口座開設は完了します。

 ※1 NISAを利用するには証券会社の口座を開設した後、NISA口座を別に開設する必要があります。

 ※2 口座開設の申請後、24週間程度かかることがあります。

 

NISAに関する詳しいメリット・デメリットを知りたい方は以下の記事をご参照ください。

 ⇒ 投資初心者必見!NISAではじめる賢い投資信託の運用方法

 

3−3 効果を最大限に発揮するには120万円が目標資金

不動産投資信託を始めるにあたり、投資に回せる資金を準備しましょう。目標額は120万円です。この120万円を元本として、不動産投資信託の平均年利である4%で運用できたとしたら、1年間で5万円弱増えることになります。

なぜ120万円かと言うと、NISAの非課税枠が120万円だからです。NISAとは、簡単に言うと「年間の投資額が120万円以内であれば、その利益に対しての税金が非課税(タダ)になる」というものです。NISAを使用しないで利益(配当金や売買益)を出すと、そのうち20.315%が税金として引かれてしまいます。


<NISA使用>
年間投資額120万円 → 利益5万円 – 税金0円 = 純利益5万円

<NISA不使用>
年間投資額120万円 → 利益5万円 – 税金10,157円 = 純利益39,843円

3−4 銘柄選びの3つの指標

上場している銘柄は現在60程度あり(20179月現在)選ぶのにもコツが必要です。これを買えば絶対に儲かる!というものは残念ながら存在しませんが、投資の目標となる指標は存在します。リート銘柄選びの参考にしてみてください。

 

NAV倍率

NAVとは「Net Asset Value」の略で、日本語に直すと『純資産価値』という意味になります。純資産価値とはつまり、“本来そうあるべき価格”のことを指します。これを調べることで、そのリート銘柄が割安なのか、割高なのかを判別する際の指標となります。
NAV倍率

 

NAV倍率が1倍を上回っているときは、過大評価されているとみなされ、1倍を下回っているときには割安だと判断できます。

 

以下のWEBページにてNAV倍率が確認できます。

不動産投信情報ポータル|NAV倍率

 

分配金利回り

投資金額に対してどれくらい効率的に利益を得られるのかがわかります。

分配金利回り

例①:年間予想分配金5000円の銘柄に、110万円で投資する場合、

   5,000÷100,000=5%

例②:年間予想分配金5000円の銘柄に、115万円で投資する場合、

   5,000÷150,000=3.3%

 

①と②を比較すると、①の方が、利回りが良いことが分かります。

※但し、不動産の売買等によって予想分配金は変動するため、予想利回りも変動することになります。

 

この値が高ければ高いほど、利益率の高い銘柄と言えます。

以下のWEBページにて分配金利回りが確認できます。

不動産投信情報ポータル|分配金利回り

 

NOI利回り

いかに効率よく不動産運用ができているかを表す指標です。分配金利回りが投資額に対するリターンを図る指標であるのに対し、NOI利回りは純粋な不動産運用のパフォーマンスを確かめることができます。

NOI利回り

この値が高ければ高いほど、不動産の収益力が高い物件であると考えることができます。

以下のWEBページにてNOI利回りが確認できます。

不動産投信情報ポータル|NOL利回り

 

 

4 失敗しない不動産投資信託の基本的な考え方

不動産投資を失敗しないための重要な考え方が、リスクを分散させる、ということです。リスクを分散させるとはつまり、投資の対象やタイミングを分散させることを指します。これを分散投資と呼びます。

 

投資にはすべからくリスク(失敗する可能性)がつきまといます。このリスクを避けながら、堅実にお金を増やしていく有効な手段が分散投資になります。

 

例えば、投資の対象分散させる場合、1つの銘柄に資産を集めるのではなく、複数の銘柄に分けて投資することで、リスクの低減につなげることができます。

 

また、投資のタイミングを分散させる場合、1回に集中投資せず、複数回に分けて(例えば毎月◯万円ずつなど)行なうことで、これもまたリスクを少なくできます。

 

特に、不動産投資信託の場合、実物不動産に比べて投資対象の価格の上下が激しいため、リスクが多いと言えます。積極的に分散投資を進めて、リスクの軽減、つまり失敗しない運用を心がけていきましょう。

 

投資の基本的な考え方「分散投資」に関しての詳しい情報は以下の記事でご紹介しています。

 ⇒ リスクを抑えて堅実にお金を増やしたい人の分散投資ガイド

 

 

5 不動産の知識、情報を身につけて実物不動産に挑戦する

これまで不動産投資信託についてお伝えしてきましたが、将来的には実物不動産に挑戦することをお勧めします。

理由は以下の2点です。

 

1、安定した不労所得

物件選びを正しく行えば、安定した不労所得(家賃収入)を得ることができます。

そのためには、物件の購入資金を貯め、かつ、不動産に関する知識・情報を蓄えることが必要不可欠です。不動産投資信託はその足がかりとして、未来を見据えながら行っていくことをお勧めします。

 

2、自分の責任で投資を行なう

不動産投資信託はプロが運用するとは言え、顔の見えない“誰か”にお金を預けることに他なりません。そこには少なからず費用が発生しますし、投資法人が破綻し大きな損失となるリスクも抱えています。

なにより、投資は自分の判断で選ぶことで悔いのないものになります。正しい知識と経験を積めば、失敗の確率も下がるでしょう。そのためにも、今の段階から個人でも不動産投資ができるように準備を進めていくことをお勧めします。

 

実物不動産に興味をお持ちの方はぜひこちらの記事も一読ください。

 ⇒ サラリーマンが不動産投資で毎月38万円の不労所得を得る超実践的手法

 

まとめ

不動産投資信託は、不動産投資をこれから始めようとお考えの方に、少ない資金と手間で始められる有効な投資手法だと言えます。メリットとデメリットをよくご理解の上、始められることをお勧めします。始めるからにはぜひ“成功”し、将来大きな投資家を目指してください。そのための第一歩を不動産投資信託から始めてみてくださいね。

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