不動産投資を始める際、まずどの物件を選ぼうか迷ってしまいますよね。様々な情報の中から、収益力のある物件を探すには利回りを見ることが大切です。
利回りとは、投資額に対してどのくらい収益力があるかを示す目安です。すぐ手に入る図面から表面利回りの計算ができるようになれば、物件選びに費やす時間の短縮ができるほか、収益をもたらしてくれる優良な物件を絞って探すことができます。しかし、利回りには2種類の計算方法があるため、表面利回りの数字のみを信じて不動産投資を始めると失敗してしまいます。
ここでは、表面利回りと理解するために必要な実質利回りについて、あなたが投資を始める際に役立つ計算例をご用意しました。この記事を参考に、利回りの計算を身につけ表面利回りについて正しいとらえ方を身につけましょう。
不動産投資体験談
1.表面利回りとは
利回りとは、投資額に対してどのくらい収益力があるかを示す目安です。その中でも表面利回りは、経費を考慮せず計算した利回りです。
利回りとは投資効率のことです。例えば、あなたは次のAとBの物件どちらを選びますか。
・年間60万円の家賃が入ってくる物件A
・年間40万円の家賃が入ってくる物件B
もちろん家賃収入の額が大きいAの物件を選びたいところですよね。しかし、投資額が違う場合はどうでしょうか。
・A物件の購入価格は2000万円
A物件の表面利回り=¥60,000÷¥20,000,000×100=3%
・B物件の購入価格は600万円
B物件の表面利回り=¥40,000÷¥6,000,000×100=6.6%
Aの物件のほうがリターンの額は高いですが、投資効率がよい物件はBとなります。利回りとは、投資の「効率」を図る目安なのです。
表面利回りは素早く計算が出来ることや、単純な計算式のため分かりやすいことがメリットにあげられます。表面利回りをうまく利用すれば、物件探しの時間を短縮することができます。
注意する点としては、購入経費やマンション経営に必要な諸経費を考慮していないので表面利回りどおりに収益が入ってくるというわけではありません。あくまで大まかな目安として考えましょう。
2.表面利回りの相場の目安
表面利回りをみて物件を探すためには、相場の目安を知っておく必要があります。表面利回りの相場を調べることができる便利なサイトをご紹介します。
検討しているエリアの相場を確認してから物件を探すようにしましょう。
3.実質利回りとの違い
表面利回りを理解するうえで実質利回りについても知っておく必要があります。実質利回りとは、投資した資金額に対して、経費を考慮したうえでどのくらいの儲けを得られるか示す指標です。
実質利回りの他に、「手取り利回り」「ネット利回り」とも言いますが、計算方法は全く同じです。収入から差し引く経費は次の通りです。
管理費 | マンションの共用部分の電気代や管理人表など、日常のメンテナンス費用 |
修繕積立金 | マンションの外壁補修など、将来修繕のため積み立てる金額 |
賃貸管理代行 手数料 | 入居者募集や入居者からのクレーム対応、退去立会い等の大家代行業費 |
不動産会社が販売する際に、より高い利回りの物件だと見せるため表面利回りを掲載する場合があります。しかし、表面利回りよりも、実質的な収益性を図ることができるので、具体的に物件を絞った後、購入を検討する段階では実質利回りを利用するようにしましょう。
4.表面利回りの計算問題
では実際に計算式を使い、具体例にそって利回りを計算してみましょう。計算の答えは、この記事の一番下をご覧ください。下の物件例の表面利回り・実質利回りはそれぞれ何%になるでしょうか。下の物件図面から読み取って計算してみましょう。(クリックすると大きく表示されます。)
尚、ここでは毎月かかる賃貸管理代行手数料は3,240円(税込)とします。諸経費は「管理費」「修繕積立金」「賃貸管理代行手数料」を使って計算してください。
計算式のおさらいです。
5.計算問題の答え
それでは「4.表面利回りの計算問題」の答えを見ていきましょう。
表面利回りは6.53%、実質利回りは5.33%が正解です。計算に使う数字を赤で囲んでおきました。図面から読み取れましたか。
表面利回りの計算式はこのようになります。
実質利回りの求め方は以下の通りです。
※自主管理の場合は毎月の経費に管理代行費を入れずに計算します。
6.まとめ
具体的に物件の購入を検討する際は、必ず「実質利回り」で計算します。膨大な物件の中から検討する物件を絞る時は表面利回り、具体的な投資効率を知るためには実質利回り、という具合に2つの利回りをうまく使い分けるようにしましょう。
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