中古ワンルームマンションは価格が安く、高利回りが期待できる不動産投資手法です。少額の資金でもローンを利用してはじめられることから、サラリーマンに高い人気を集めています。
ただ、手軽にはじめられますが、リスクやデメリットをよく理解せずに投資をはじめてしまうと、せっかく貯めた投資資金を無駄にしてしまいます。
そこで、この記事では中古ワンルームマンション投資でしっかりと利益をあげるためにメリットだけではなく、デメリットやリスクをお伝えします。さらに、利益を上げるために必要な物件の選び方と実際に投資を始めるまでの注意点について確認していきます。
この記事を読めば中古ワンルームマンション投資で利益を上げる方法を身に付けることができるはずです。投資を検討するまえに、必ず確認しておきましょう。
不動産投資体験談
目次
1.中古ワンルームマンションの特徴
中古ワンルームマンションは、これから伝えるやり方を守れば、安定して利益を上げることができます。そのためには、まずは中古ワンルームマンション投資の特徴をよく理解しておくことが欠かせません。中古ワンルームマンション投資の特徴を5つにまとめたので、順に確認していきましょう。
1-1 価格が安い
中古ワンルームマンションの一番の特徴は、価格の安さです。
中古ワンルームマンションの立地や築年数にもよりますが、地方では数百万円、東京23区内であれば築10年~15年程度の物件で、1,600万円~2,000万円。六本木や麻布、丸の内、新宿など都心のプレミアムな立地になると、2,000万円~2,300万円程度です。
これが新築ワンルームマンションになると、都内で3,000万以上、都心のプレミアム立地では3,500万円以上することも珍しくありません。
不動産投資にはワンルームマンション投資のほか、ファミリータイプのマンションへの投資や1棟アパートやマンションにまるごと投資をする手法もあります。
こうした不動産投資手法に比べて、中古ワンルームマンションは投資価格が安く、サラリーマンでも手を出しやすいという特長があります。
中古ワンルームマンションは実物不動産投資の中では最も少額でスタートできる投資先です。
1-2 高い利回りが取れる
他の不動産投資手法に比べて、価格が安い分、中古ワンルームマンションは投資利回りも高くなります。価格と同様に立地や築年数によりますが、およそ4%~8%程度の利回りを期待することができます。
投資利回りは投資金額に対して1年間でどれくらいの利益があるのか、投資対象の収益性を明らかにする指標です。
1-3 空室期間が短い
不動産投資は入居者が住んでいれば、毎月安定して家賃収入を得ることができます。そして入居者がいない場合は、当然家賃収入も途絶えてしまいます。空室期間中でも、ローンの支払いや管理費や修繕積立金の支払いは発生するので、空室期間の長短が中古ワンルームマンション投資の生命線です。
その点、都内の中古ワンルームマンションであれば、およそ1ヶ月もあれば次の入居者を見つけることができます。
入居者がワンルームマンションの部屋を決める条件は、立地と家賃が最も重要視され、その他の要素はそれほど大きな要因にはなりません。また、ワンルームマンションは一人で住むため、意思決定権者も一人しかいませんから、部屋が決まるスピードも速くなります。
一方、ファミリータイプのマンションの場合は、部屋を決めるための要素が多岐にわたります。たとえば、最寄駅までの距離に加えて、日当たりや子どもの学区、公園の有無などの近隣環境も重視されます。さらに、意思決定権者も一人ではなくご主人や奥様、お子様など複数にわたるので、どうしても空室期間は長期化しがちです。
1-4 少額の資金で始められる
中古ワンルームマンションでも他の不動産投資手法とおなじように金融機関から融資をうけて、投資用マンションを購入することができます。そのため、不動産価格全額の自己資金がなくても、中古ワンルームマンション投資をスタートすることができます。
投資をはじめるに必要な頭金は、物件価格のおよそ5%程度です。この頭金に加えて、ローン利用時の諸経費が50万円~60万円程度必要になります。
1,500万円の中古ワンルームマンションの場合、およそ120万円~130万円自己資金が必要になる計算です。
ローン利用時の諸経費
- 登記費用
- 火災保険料
- ローン事務手数料
- 印紙代
- 固定資産税(日割分)
- 管理費(月割分)
- 修繕積立金(月割分)
1-5 万が一のときに生命保険の代わりにある
ローンを利用して中古ワンルームマンションを購入した場合、ローン利用者であるマンションオーナーに万が一のことがあった場合には、ローンはすべて完済される団体信用生命保険がつきます。
この団体信用生命保険は、自宅用のローンと同じように投資用のローンにも適用されます。
これによって、万が一のことがあった際には、ローンのない中古ワンルームマンションを家族に遺すことができ、家族は家賃収入を遺族年金の代わりとしても活用できます。
一般の生命保険が毎月保険料を支払って保障を得るのに対して、中古ワンルームマンションをローンで購入した場合は、家賃収入を得ながら将来の保障を作ることが可能です。
2.中古ワンルームマンションの物件例
中古ワンルームマンションは築年数によって、2つの種類に大別されます。築年数の浅い築浅物件とバブル期に分譲されたバブル期物件です。それぞれの特徴を確認していきます。
2-1 バブル期物件
1988年~1994年の間に分譲された中古ワンルームマンション。
都内のバブル期物件の場合、価格は1,000万円~1,200万円程度で、手取り利回りは5%~6%になります。部屋の広さは16平米~20平米と現在のワンルームマンションと比べるとやや狭く、バスとトイレが一体となっている3点式ユニットバスが主流です。
2-2 築浅物件
2000年以降に分譲された中古ワンルームマンション。
都内の築浅物件の価格は1,600万円~2,000万円で、手取り利回りは4%~5%台になります。バブル期物件に比べて価格が高い分、手取りの利回りも低くなりますが、建物の設備が充実しています。部屋の広さも20平米~25平米と広くなっており、バスとトイレが別々になっており、入居者からの人気も高くなっています。
3. 中古ワンルームマンションのデメリット
中古ワンルームマンションはメリットばかりではありません、デメリットやワンルームマンション投資ならではのリスクもあります。安定した利益を得るためには、デメリットやリスクについてしっかり理解しておくことが欠かせません順番に確認していきましょう。
3-1 利用可能年数の短さ
鉄筋コンクリート造のマンション寿命はおよそ60年~80年といわれています。仮にマンション寿命が60年だとすると、築年数が20年とすると利用可能年数は残り40年です。
これが新築物件の場合、まるまる60年間分家賃収入を得る機会あります。
築年数が経過した分だけ、収入を得る機会が少なくなるというデメリットがあるのです。
3-2 設備のリニューアル
バブル期物件のように、築年数が経過した中古ワンルームマンションの場合、現在のマンションと比べて設備が見劣りしており、将来的に大幅なリニューアル工事の必要を迫られることが考えられます。
たとえば、バブル期に作られた中古ワンルームマンションはバスとトイレが一体となった3点式ユニットバスが主流ですが、現在ではバスとトイレが別になっているものが主流です。なかには、独立洗面台がついているワンルームマンションもあるほどです。
このような場合、いずれ3点式ユニットバスをバスとトイレを別にする工事を実施しなければ、家賃が下落し続けることもあります。
3-3 地震リスク
中古ワンルームマンションのなかでも、1981年以前に作られた旧耐震基準のマンションは地震に対するリスクが大きくなります。
阪神淡路大震災や東日本大震災でも、地震による損壊・倒壊被害が目立ったのは、旧耐震基準の物件です。中古ワンルームマンション投資をする際には、新耐震基準以降に分譲されたマンションを選びましょう。
4. 中古ワンルームマンション投資で安定利益を得るための方法
中古ワンルームマンション投資で安定した利益を得るためには、最低限4つのポイントをクリアする必要があります。
4-1 地方のワンルームは手を出さない
人口が減少して、賃貸需要も減っていく地方のワンルームマンション投資は空室リスクが高くなります。
地方では東京などの大都市に比べて、ワンルームマンションの価格が安い分、高い利回りを期待できます。ただ、その分空室の長期化が常態化しやすくなります。利回りはあくまでも1年間ずっと満室であることが前提です。空室が長引いてしまうと、計算上の利回りは到底達成できません。
さらに、そもそも地方のワンルームマンションの家賃は都内に比べて圧倒的安く、2万円、3万円台も地方では珍しくありません。5万円もだせば広い部屋を借りることができます。
家賃は安いですが、エアコンや給湯器、内装工事費用は大都市圏とほとんどかわりません。そうなると、半年分の家賃が設備の修理交換、内装工事費用で一気に吹き飛んでしまうこともあるのです。
4-2 徒歩10分以内は必須
中古ワンルームマンションが、最寄駅から徒歩10分以内の立地にあることは必須条件です。
広告表記上、徒歩1分は80メートルで換算されます。徒歩1分の物件と徒歩10分の物件では、分数は10倍ことなりますが、最寄駅を中心とした円の面積でみると100倍異なります。つまり、徒歩分数が1分増えるごとに競争物件飛躍的に増加していくのです。
空室が出た時に、すぐに次の入居者を見つけるためにも、最寄駅から徒歩10分以内であることが欠かせません。
4-3 15平米未満の狭小物件は避ける
15平米未満の極端に狭い部屋は、空室が長期がしやすいため、少なくとも16平米以上の広さの部屋を選びましょう。
バブル期に作られたマンションのなかには、15平米以下の極端に狭い部屋もあります。当時は、3点式ユニットバスが珍しく、ホテルのようだと部屋が狭くても若者に人気を集めていましたが、いまでは住みづらい狭い部屋は入居者から敬遠されます。
また、こうした狭い中古ワンルームマンションの場合、出口戦略も描きづらくなります。
15平米以下の中古ワンルームマンションは金融機関からの融資もほとんど受けられません。たとえ、自分は現金で購入できたとしても、いざ売却する際には、購入者は現金で購入できる人に限られてしまいます。
4-4 空室解消・滞納トラブルに強い賃貸管理会社を選ぶ
投資用の中古ワンルームマンションを購入したあとは、その物件を管理してくれる賃貸管理会社と契約する必要があります。
この賃貸管理会社を選びも、その後の収益を左右する重要なポイントです。賃貸管理会社を選ぶ際には、「いかに早く空室を埋めることができるか」「滞納が発生したとき素早く解消できるのか」この2点を重視して選びます。
空室や滞納が発生すると、家賃収入が途絶えてしまいます。ローンで中古ワンルームマンションを購入していた場合には、投資用ローンの返済に家賃収入が使えないので、全額がオーナー負担となります。
空室や滞納期間が長期化すればするほど、オーナーは負担に耐え切れなくなり、やがて破たんしてしまいます。
空室解消と滞納トラブルに強い賃貸管理会社を選ぶポイントは次の通りです。
- 入居率 目安:都内96%以上
- 平均空室期間 目安:40日以内
- 滞納率 目安:管理戸数に占める滞納物件(2カ月経過)の割合が1.5%程度
- 入居者対応 目安:年中無休のコールセンター、管理人員数
- 管理費 目安:家賃の5%~7%
5.中古ワンルームマンション投資の始め方
中古ワンルームマンション投資を始めたい場合、どこに相談すればよいでしょうか。
物件探しから購入手続き、家賃収入が銀行口座に振り込まれるまでの流れをまとめました。
5-1 物件を探す
中古ワンルームマンションを探す場合、2つの方法があります。
ひとつが自分自身でインターネットなどを通じて中古ワンルームマンションを探す方法。もうひとつが、不動産会社に相談して、中古ワンルームマンションを紹介してもらう方法です。
現在の状況であれば、不動産会社に相談して物件を紹介してもらうことがおすすめです。
アベノミクス以来、不動産投資市況も過熱しており、優良な中古ワンルームマンションはすぐに買い手がつく状態です。不動産会社の多くはインターネット上の物件を掲載して、買い手を募るのではなく、すでにいる顧客や直接問い合わせたお客様に対して、優良物件を紹介しています。
優良な中古ワンルームマンションを探すのであれば、直接不動産会社に問い合わせてみましょう。
中古ワンルームマンションを取り扱う代表的な不動産会社は次の通りです。
日本財託
東京23区内の中古ワンルームマン投資に特化。販売実績は業界NO.1。延べ16,000名以上が参加した中古ワンルームマンション投資のセミナーが人気。
リズム
部屋の内容を一新したリノベーション中古ワンルームマンションが特長。リノベーションを施した部屋は入居者からの人気も高い。
5-2 物件選びのポイント
長期にわたって安定した利益を得るためには、次のポイントを参考にして中古ワンルームマンションを選びましょう。
- 賃貸需要の安定している大都市圏(都内23区内)
- 最寄駅から徒歩10分以内
- 新耐震基準の物件(昭和56年以降)
- 部屋の広さは最低16平米以上
- 管理の行き届いた物件
5-3 金融機関から融資を受ける
不動産会社から紹介された物件で、投資にふさわしい物件が見つけられたら、いよいよ購入です。購入にあたっては中古ワンルームマンションでも融資を利用することができます。
融資先の金融機関は不動産会社から紹介を受けることができるので、金利や借入期間など借り入れ条件を検討のうえ、金融機関を選びましょう。
なお、金融機関から融資を利用するにあたっては、年収や勤続年数などの個人の属性が重視されます。融資の際に考慮される代表的な要素をまとめましたので、参考にしてください。
- 年収500万円以上
- 勤続年数3年以上
- 勤務先が上場企業または上場に準ずる中小企業、または公務員
- ローンの総額が年収の5倍以内
※上記の条件に当てはまらない場合でも、頭金を多く入れるなどによって融資を受けられることもあります。実際の融資については不動産会社に相談してみましょう。
5-4 賃貸管理会社を選ぶ
不動産経営のパートナーとして信頼のおける賃貸管理会社を選ぶことは、中古ワンルームマンション投資を成功させるために欠かせません。
空室や滞納に強い賃貸管理会社選びのポイントは先ほど確認したとおりです。
ここでは、賃貸管理契約の種類について確認していきます。契約の内容によっては、管理手数料や管理の内容も異なります。せっかく質の高い物件に投資したとしても、最適な管理契約でなければ、コストばかりがかかる可能性があります。しっかり内容を確認しましょう。
集金代行契約(管理代行契約)
集金代行契約(管理最高契約)は入居者への家賃の集金から空室時の入居者募集、入居中トラブル・クレーム対応、退去時の内装工事の手配、滞納トラブルまで、大家としての業務を代行する契約です。
毎月の家賃の5%前後が管理手数料の目安になります。
なお、会社ごとに空室や滞納時の保障サービスがあったり、またオプションでこうした保証契約をつけることもあります。契約時にはこうした保障内容もあわせて確認しておきましょう。
サブリース契約
サブリース契約は、オーナーの所有物件を、賃貸管理会社が借り上げて、賃貸管理会社はその不動産をさらに入居者に転貸する契約のことです。
オーナーにとっては、不動産会社が自身の物件を借りてくれているので、実際に入居者が住んでいなくても毎月安定した家賃収入を得ることができます。ただし、直接オーナーが入居者に貸す場合に比べて、不動産会社から支払われる家賃は、直接貸し出すケースと比較して10%程度安くなります。
なお、不動産会社が借り上げてくれる賃料は契約当初のまま据え置かれることはありません。周辺相場や景気変動にあわせて賃料は見直しさるので、資金計画には注意しましょう。
まとめ
中古ワンルームマンション投資は確かな物件と信頼のおける賃貸管理会社を選ぶことができれば、安定して家賃収入を得ることができます。
物件の選び方や賃貸管理会社選びのポイントはぜひ押さえておきましょう。
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