不動産投資 儲からない『不動産投資は儲からない』『不動産投資に騙されるな』といった言葉を見聞きすることがありますが、いずれも的を射た話とは言えません。
そもそも不動産投資は儲かる話、うまい話ではないからです。
私たちは不動産投資に携わって29年が経過しましたが、そう断言できます。
ただ、数ある投資商品のなかでも不動産投資だけが「儲かる、儲からない」の二元論で語られてきました。不動産に投資をしている人が少ないゆえに、実際の投資結果に関する情報が少なく、両極端な論調で語られてきました。
しかし、不動産投資は儲かる話ではありませんが、投資対象としてふさわしくないわけでもありません。
あなたが『堅実に』資産を作っていきたいのであれば、不動産投資ほど適した投資法はないと思います。
つまり、不動産投資は簡単に儲かるという安易な投資ではなく、堅実に資産を作れる投資だということです。
不動産投資は儲からないから投資対象にふさわしくないと決めつけて、検討対象からはずしてしまうのは本当に惜しい決断です。
この記事では、まず不動産投資がなぜ堅実な資産形成に向いているのか、そして資産形成を堅実に行うための不動産投資の手法についてご紹介します。
そのうえで、不動産投資は儲かる話だと勘違いしてしまうその理由について詳しく解説していきます。
不動産投資体験談
目次
1. 『不動産投資は儲からない』しかし、不動産投資なら堅実に資産形成できる
不動産投資は儲かる話、うまい話ではありません。
株式投資のように1年で3割も値上がったり、またFXや少し前の仮想通貨のようにすぐに倍になるといったこともありません。
ただ、賃貸需要の確かな場所で不動産投資をはじめるのであれば、堅実に資産を形成していくことが可能です。これは29年の不動産投資の経験から確信をもってお伝えすることができます。
1-1 毎月収入が生み出してくれる
不動産投資で堅実に資産を作っていくことができる最大の理由が『家賃収入』です。
不動産投資は入居者がいれば、毎月家賃収入を利益として受け取ることができます。
これが株式投資の場合、基本的に購入した銘柄の株式が上昇しなければ利益を得ることはできません。
短期では勝つことはできるかもしれませんが、長期的な視点に立った時に株式投資で勝ち続けることは困難でしょう。また、投資をしていた銘柄が急落することも珍しくありません。
たとえば、ダイエットで有名なRIZAPグループ(株)の株価は一時期3,000円ほどあったものが、株式分割があったとはいえ、いまでは300円を切るまでになっています。(2019年1月現在)
不動産投資であれば、賃貸需要の確かな場所であれば、たとえ空室が生じたとしても次の入居者も素早く決まり、家賃収入は途絶えることはありません。
そのため、計画的に資産を作っていくことができるのです。
1-2 レバレッジを効かせられる
不動産投資は、他の金融商品への投資と異なり『ローン』を利用できる投資です。
これによって、たとえ100万円の資金しかなかったとしても、ローンを利用することで投資額を1,000万円、2,000万円というように増やすことができます。
同じ利回りであっても投資額が大きくなれば、収入額も大きくなります。
たとえば、利回り5%の投資案件であっても、100万円の投資額であればリターンである収入は5万円にしかなりません。
これが10倍の1000万円に投資額が増えれば、収入も50万円になります。
ただし、注意が必要な点が『空室リスク』です。
借金の返済原資となるものは入居者の家賃収入です。
ひとたび空室になると家賃収入は入っていませんから、これまで家賃で返済してきたローンはあなた自身のお財布から支払う必要があります。空室がひと月程度であれば負担もまだ少なくて済みますが、2か月、3ヶ月となると、家計に大きな影響を与えることになります。
賃貸需要の見極めなしに、安易にローンを組んで不動産投資をはじめてしまうと、大変なリスクを背負うことになります。
一方で、賃貸需要が旺盛な場所であれば空室リスクは押さえることができるので、適切な額のローンであれば安心して利用することが可能です。
1-3 家賃収入をローンの返済にあてられる
不動産投資の最大の利点が入居者の力を借りて資産形成ができることです。
前述したように家賃収入をローンの返済にあてることができるので、仮に空室や家賃下落などがないとすると、借入期間満了後にはローンは完済されて、あなたの資産になります。
つまり、ほぼ持ち出しがなく資産を作ることができるのです。
ただ、一般的な借入期間である30年経過後に、ローンが完済されて資産が自分のものになるといっても、完済までの期間が長すぎて妙味がありません。
そこで必要になるのが『繰り上げ返済』です。
繰り上げ返済の効果は2つあります。
ひとつが資産形成のスピードを加速させること。もうひとつが金利上昇リスクに備えることです。
-繰り上げ返済で資産形成のスピードを加速させる
2000万円のローンを毎年100万円ずつ繰り上げ返済したケースで考えてみます。
例)価格2,000万円 借入額2,000万円 借入期間35年 金利1.65%
手取り家賃収入65,000円/月(78万円/年)、ローン返済額62,717円
毎年100万円の繰り上げ返済をおこなうと13年でローンを完済できます。
この間、繰り上げ返済に費やした資金は1,300万円。
1,300万円で2,000万円の不動産を手に入れることができたことになります。
また、ローン完済後は年間78万円の収入がまるまる手元に残ります。
次に、この家賃収入と繰り上げ返済資金100万円とあわせて年間178万円を繰り上げ返済に回して2戸目のマンションのローンの完済を目指します。
すると、2戸目のローンは9年で完済することが可能です。
こうしてローンを次々に返済して物件を増やしていくことにより、資産形成の味方となってくれる入居者も増え、加速をつけてマンションを増やしていくことができるのです。
-繰り上げ返済で金利上昇リスクに備える
金利上昇リスクに備えるためにも繰り上げ返済は欠かせません。
投資用ローンの金利は現在1.65%~2%程度です。いまはまだ低水準の金利が続いていますが、いつ金利が急騰するかはわかりません。
金利上昇に備えるためには、元本を減らすしかありません。
たとえば、借入金額2,000万円、35年ローンを利用したケースで、5年後に金利が2%から4%に上がってしまった場合で考えます。
ローンが2,000万円のときでは毎月の返済負担額は66,253円から88,574円となり、約22,000円の負担増です。
一方、繰り上げ返済(返済額軽減型)を行い残債が1,500万円になっていたとすると、ローン返済負担額は62,872円です。金利が2倍になりましたが、繰り上げ返済のおかげもあり、負担額はほとんど変わりません。
また、1棟アパート・マンション投資のように、そもそもの借金額が大きければ繰り上げ返済を行ったとしても効果はほとんどありません。
特に地方都市や郊外都市のように賃貸需要の少なく、空室理数が高いエリアで億を超えるような借金を抱えて不動産投資をはじめることは大変危険です。
※『返済額軽減型』 繰り上げ返済とは
繰り上げ返済には、2つの方式があります。
ひとつが、借入期間を短縮する方法。もうひとつが、返済負担額を軽減する方法です。
借入期間は短縮型では、文字通り完済までの期間を短くすることができますが、毎月の返済負担額は変わりません。
返済額軽減型の場合は、毎月の返済負担は繰り上げ返済とともに減額されていきますが、借入期間は変わりません。
毎月のキャッシュフローに余裕を持たせて不動産経営を行いたい場合には、返済額軽減型の繰り上げ返済がおすすめです。
2 不動産投資が儲からないので投資対象にならないという人の言い分
不動産投資は儲かる話・うまい話しではありません。
ただ、やり方を間違えなければ資産を堅実に増やしていける投資です。儲からないからというだけで、不動産投資を避けて通るのも、大変勿体ない話です。
そこで、この章では「不動産投資は儲からない!」と言う人たちが見落としている、堅実な資産形成につながる不動産投資のポイントをお伝えしていきます。
2-1ローンを組んだら毎月の手取り収入はわずか数千円
事実:ただし資産は拡大し続けている
家賃収入から管理費や修繕積立金、集金代行手数料を差し引いた手取りの家賃収入額からローン返済額を差し引くと、都内の中古ワンルームマンション投資の場合、毎月の手取り収入は2000円~10,000円程度です。
たしかに、ローンを組んだとしてもわずか数千円程度の収入しか得られないのであれば、投資としての魅力は感じられません。
しかし、水面下では元本の返済という形で資産が拡大し続けています。この資産拡大に気づけるかどうかがポイントです。
たとえば、借入期間35年、金利1.65%で2,000万円のローンを利用したケースで考えてみます。
1年間のローン返済額は752,604円です。このうち元本部分の返済は425,815円です。投資用ローンの返済は入居者の家賃収入をあてることができるので、オーナー自身はなにもしなくても、1年間で約42万円資産が拡大していることになります。
つまり、目に見える成果として月々数千円、年間も数万円に過ぎませんが、目に見えない部分では確実に資産が増え続けているのです。
この目に見えない資産拡大は入居者がいる限り続きます。
株式投資で勝ち続けることは難しいですが、賃貸需要の確かなエリアの不動産投資であれば、着実に資産が築かれていきます。
入居者からの家賃収入に加えて、繰り上げ返済を行えば、さらに資産形成のスピードを速めることが可能です。
ローンを組んだら手取り収入が数千円にしかならない人は、この目に見えない資産拡大効果を見逃しているのです。
2-2元をとるのに20年以上かかる
誤解:売却を前提にすれば元はもっと早く取れる。
都内の中古ワンルームマンションの価格と利回りは次の通りです。
築浅物件:価格1,800万円~2,500万円 手取り利回り4%
バブル期物件:価格1,000万円~1,200万円 手取り利回り5%
※平成バブル期に分譲された築30年程度の物件
築浅物件2,000万円、手取り利回り4%の物件で、家賃収入だけで投資資金2,000万円を回収しようとすると25年かかります。
一方、バブル期物件1,200万円では元をとるのに20年かかります。
家賃収入だけで投資資金を回収するのであれば、20年以上の歳月が必要になります。しかし、途中で売却することを前提にすれば、回収期間はずっと早いものになります。
そもそも、株式投資では配当金だけで、何年で投資資金を回収できるかという話をする人はいないはずです。
2-3人口減少する日本では空室リスクが高すぎる
誤解:エリアを選べば勝てる不動産投資は可能。
日本全体の人口は2008年から減少しており、この流れは変わりそうにありません。
しかし、東京に焦点を絞れば人口は長期にわたって安定していることがわかります。他の道府県からの人口流入数を見ても、東京都は圧倒的です。
大阪や名古屋、福岡といった大都市圏での不動産投資も短期的にみれば成立するかもしれませんが、長期でみれば人口は減少トレンドにあり、不安は否めません。
東京のなかでも23区内、駅から10分以内の物件を選べば、将来にわたって安定した不動産経営は可能です。
まとめ
不動産投資は儲かる話ではありません。むしろ、地方や郊外のような人口減少エリアで多額のローンを組んでアパート経営をはじめてしまうと、将来大きな損をしてしまうリスクが高まります。
しかし、堅実な資産形成を行いたいのであれば、不動産投資は最適な投資手法になりえます。
その際には、空室リスクの少ない東京23区内の中古の区分のワンルームマンションを選ぶことが必須です。
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