不動産投資で成功するためには、着実に利益があがる投資物件を見極める必要があります。この投資物件を見極めるためには、不動産投資の利回りについて正しく理解しておくことが欠かせません。
不動産投資の利回りがわからないままでは、ダメ物件をつかまされてしまうことになります。一方、もしあなたが不動産投資の利回りについて、正しく理解していれば、星の数ほどある投資物件から、確実に利益を生んでくれる物件を見つけ出すことができるはずです。
この記事では、あなたが不動産投資で成功をおさめられるよう、不動産投資の利回りについてわかりやすくまとめました。さらに、プロが実践する不動産投資の利回りの読み解き方も紹介します。不動産投資で安定した利益を得たい方は、まずこの記事で不動産投資の利回りを正しく理解することからはじめましょう。
不動産投資体験談
目次
1. 不動産投資の利回りは物件の優劣を明らかにする
利回りは、投資額に対してある一定期間内でどれだけの利益が見込めるのかを表した投資指標です。利回りは以下の計算式で求めます。
たとえば、投資額100万円に対して、1年間で20万円の利益が見込めるのであれば、
この投資案件に対する利回りは20%になります。
投資規模の異なる投資対象に対しても、利回りというモノサシを利用すれば、
どちらの投資案件のほうが投資効率が優れているのか、判別することができます。
このケースでは利益額は投資案件Bの方が大きくなります。
しかし、投資効率を示す利回りで比較してみると投資案件Aのほうが良い投資先だとわかります。
このように投資案件を比較する際に、利回りを理解しておけば、よりよい投資案件を見極めることができます。
2. 不動産投資の2つの利回り|表面利回りと実質利回り
利回りの考え方は理解できたでしょうか、ここからは具体的に不動産投資の利回りについて考えていきます。
不動産投資の利回りには、実質利回りと表面利回りの2つがあります。
この2つの利回りの違いを正しく理解することが、不動産投資で成功するためのファーストステップです。それではひとつずつ確認していきましょう。
2-1 実質利回り(手取り利回り)
実質利回りは、以下の計算式で求めます。
実質利回りは、経費まで考慮したうえで利回りを計算しているので、投資物件の投資効率を正しく理解することが可能です。
2-2 表面利回り
表面利回りは以下の計算式で求めます。
表面利回りは利益の計算にあたって、ランニングコストを考慮していません。
そのため、実質利回りとは異なり、表面利回りだけで投資効率を見極めることはできません。表面利回りはあくまでも参考値にとどめておきましょう。
3. 不動産投資の利回りを計算してみる
不動産投資の利回りの計算方法を知っているだけでは、利回りについて本当に理解できたとはいえません。あなた自身の手で利回りを計算できるようになってはじめて、利回りについて理解できたといえます。
それでは、ここからは実際に物件図面から投資物件の実質利回りを計算してみましょう。
3-1 利回り計算の要素を見つけ出す
不動産投資の実質利回りを計算するためには、まずは計算のもとになる要素を物件図面から見つけ出すことが必要です。
利回りを計算するために、図面から見つけ出す項目は以下の通りです。
価格・・・1,780万円
家賃・・・84,000円/月(賃料75,000円/月+管理費9,000円/月)
管理費・・・7,500円/月
修繕積立金・・・1,500円/月
※賃貸管理会社に支払う手数料は会社ごとに異なります。ここでは3,240円/月で計算します。
3-2 利回りを計算する
次に図面から見つけ出した計算要素をもとに、実質利回りを計算してみます。
4. プロが実践する不動産投資の利回りの読み解き方
ここまで不動産投資の利回りについて基本的な考え方を確認してきました。
ここからは、より実践的な不動産投資の利回りの読み解き方について確認していきます。
利回りの読み解き方までマスターしていないと、良いと思った物件が実は不良物件であったということにもなりかねません。ひとつずつ確認してきましょう。
4-1 空室物件の利回りに注意する
新築の投資物件や入居者がいない投資物件を検討する場合、不動産会社が提示している利回りは注意することが必要です。
空室中の物件ですから、利回りの計算のもとになる年間家賃は実際の家賃ではなく、あくまでも想定の家賃です。
この想定家賃が場合によっては、周辺相場よりも高く表示されており、結果として高い利回りが表示されることがあります。想定利回りは計算上の利回りです。
空室の投資物件の購入を検討する場合には、想定利回りの計算の元になった家賃が周辺相場に見合っているか必ず確認しましょう。
4-2 長期入居の物件は利回りがかさ上げされている
入居者がいる投資物件でも、手取り利回りが物件の収益性を正確にあらわしているとは限りません。
なぜなら、現在住んでいる入居者の家賃と周辺相場の家賃に差があることがあるからです。
たとえば、新築時から10年間おなじ入居者が住み続けていた場合、 新築当初の高い家賃で、手取り利回りが計算されている可能性があります。 当然、新築時の家賃と築10年の家賃とでは、新築物件時の家賃のほうが高くなります。
仮に、この入居者が退去した後には、築10年の物件の相場家賃で入居者がつくので、利回りが大幅に下がることが予想されるのです。
利回りを見る際には、いつから入居者が住んでいるのか、 周辺家賃相場との開きがないのか、しっかりと確かめておきましょう。
4-3 不動産投資の利回りは購入当初が一番高い
投資用物件の利回りは築年数の経過によって、ゆるやかに下落していきます。
一方で、毎月かかってくる管理費や修繕積立金の金額は変わりません。むしろ、修繕積立金は分譲当初は低く抑えられていることもあり、維持管理コストの上昇が見込まれます。
家賃収入が下落し、維持管理コストが上昇すれば不動産投資の利回りも下がります。
その結果、購入当初の利回りが所有期間中で最も高くなるのです。このように、購入当社の利回りが永続的に続くわけではないので、その点を考慮して資金計画を立てておきましょう。
4-4 空室リスクの高い物件の利回りは割り引いて考える
利回りは1年間を通じて、満室経営であることを前提に計算されています。 そのため、年の途中で空室が発生すれば、図面上の利回りを実現することができません。
つまり、いくら高い利回りであっても、賃貸需要の少ないエリアの物件の場合は、 利回り通りのパフォーマンスを発揮する可能性が低くなります。
さらに、賃貸需要の少ないエリアの場合は、入居者をつけるために仲介会社にオーナーが広告料を支払ったり、入居後の一定期間中の家賃が無料になるフリーレントをつけなければいけないこともあります。
一方で、低い利回りの物件であっても空室リスクが少ない、賃貸需要の高いエリアにある物件のほうが、かえって高いパフォーマンス発揮することができます。 目先の高い利回りの物件に飛びつくのではなく、賃貸需要まで冷静に見極めて投資物件を選びましょう。
5. 不動産投資の利回りの相場観
実際に流通している投資用不動産の実質利回りは、都内の投資用中古マンションであれば、4%~6%、新築のマンションの場合2%~4%です。
そのほか、全国の投資用不動産の利回りは以下のサイトから確認することが可能です。
不動産投資で成功するためには、相場観を持っておくことは大切です。
まとめ
不動産投資の利回りを理解して、使いこなすことは不動産投資で成功するための第一歩です。ここで確認してきた内容はぜひマスターしておきましょう。
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