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知れば差がつく!安心で上手な不動産投資ローンの組み方

 2016/12/20 更新

不動産投資

不動産投資ローン、あまり馴染みがない言葉ですよね。住宅ローンといえば、まずはあなたもよく利用する都市銀行をイメージすると思います。残念ながら、都市銀行は不動産投資ローンに消極的で、なかなかお金を貸してくれません。不動産投資ローンを利用できなければ、よほど資金に余裕がない限り不動産投資のスタートラインにも立つこともできなくなります。一方、ローンを利用できれば、自己資金が貯まるのを待つこともなく不動産投資を始めることができます。借りたお金で投資することができる。これは株や投資信託など他の金融商品には無い、不動産投資ならではの特長です。ぜひ利用したいものです。そこで、この記事では不動産投資ローンに関する基礎知識から、どうすれば不動産投資ローンを借りることができるのか、不動産投資ローンについて分かりやすくまとめました。ぜひ、読んでみてください。

1.不動産投資ローンとは

不動産投資ローンとは、不動産投資をはじめるために利用するローンのことです。

1-1.不動産投資ローンの金利

現在、不動産投資ローンの金利は2%から7%です。金利の幅があるのは金融機関が不動産投資に対する考え方が違うからです。それぞれの金融機関の違いについては2で書きましたのでそちらを参考にしてください。

1-2.変動金利と固定金利の違い

まず、変動金利と固定金利について理解しましょう。

変動金利は半年ごとに金利の見直しが行われますが、金利上昇が起きた場合でも返済額は5年間のうちに変わることはありません。5年以内の返済額の増加率は25%までと定められています。

また、固定金利は返済期間中に金利が見直しされることはありません。

1-3.金利上昇には注意が必要

変動金利でも固定金利でも金利上昇には注意が必要です。

変動金利の金利が上昇した場合、当初の返済終了時にローンを利息分の支払いを求めれることもあります。

固定金利なら金利は変わりませんが、返済終了時にローンが残っていた場合、その時点の金利で残りのローンを返済していくことになります。

1-4.住宅ローンよりも金利が高く審査基準が厳しい

不動産投資ローンは住宅ローンよりも金利が高く審査基準が厳しいという特徴があります。住宅ローンであれば返済が滞れば借り手は住まいから追い出されてしまうので必死に返済しますが、不動産投資ローンは家賃が入ったら返済するというイメージがつきまとうからです。同じ不動産でもローンを利用する目的によって金利も融資の審査基準も変わってきます。

それぞれのローンの特徴を3階建ての家に例えてご紹介していきます。
まず、1階に位置するのは自宅を購入するための住宅ローンです。その上の2階にはセカンドハウスローンがあります。別荘や転勤により自宅とは別の場所に住居を購入する際、利用するローンのことです。そして、最上階の3階が不動産投資ローンになります。アパート・マンションローンとも呼ばれています。上階に近付くほど金利が高くなり、審査基準も厳しくなるという傾向があります。

2.不動産投資に融資してくれる金融機関

不動産投資ローンについて融資の審査基準は金融機関各社によって違ってきます。ここでは、それぞれの金融機関が不動産投資ローンについて、どのように取り組んでいるのかご紹介していきます。

2-1.都市銀行

三菱東京UFJ、みずほ銀行、三井住友銀行の3メガバンクは残念ながら不動産投資ローンには消極的です。唯一、融資が受けられる可能性がある都市銀行がりそな銀行です。それでも審査が厳しく以前からの取引実績が重要視されます。はじめて不動産投資する人には、なかなかお金を貸してくれないかもしれません。現在、変動金利で3%前後、自己資金を物件価格の30%を入れることが条件です。固定金利で融資を受けることは難しい印象です。

2-2.地方銀行

地方銀行は不動産投資ローンに積極的ですが、地域が限定されるという条件があります。ここでいう地域とは、購入者の居住や物件の住所が地方銀行の活動エリア内であるということです。どの地域の物件に対しても融資してくれる訳ではありません。

2-3.ノンバンク

不動産投資ローンを最も積極的に融資しているのかノンバンクです。ノンバンクとは、融資のみを行う金融機関のことです。銀行と違い貯金する仕組みがありません。審査も早く比較的容易に借入れすることができます。金利も2%から6%と幅広いのも、それだけ融資を行うノンバンクが多いためです。ただし、繰り上げ返済の場合は手数料がかかることもあります。また、一度借りてしまうと借り換えがしづらいため、高い金利で借りてしまうと後から苦しくなるので注意が必要です。

2-4.政府系金融機関

金利は1%後半、しかも固定金利で利用できます。これまでご紹介した金融機関のなかで、一番条件が良いと思われるのが政府系金融機関です。ただし、返済期間は最大でも15年と短いため、物件価格が小さめなワンルームなどを購入する場合、利用すると良いでしょう。

3.不動産投資ローンを利用するための10の条件

ここでは、ローンを組むために必要な10のチェック項目をまとめました。あなたが不動産投資をする前に、まずは以下のチェック項目を確認してください。

3-1-1.借入残高

借入残高というと聞きなれない言葉だとおもいますが、要は借入金のことです。他の銀行で住宅ローンや自動車ローンを組んでいた場合、さらに不動産投資ローンを組むと返せなくならないか、金融機関は融資の判断をしています。

不動産投資ローンも住宅ローンと融資枠は同じです。ただ、融資限度額は違います。どちらも年収を基準とし、住宅ローンは年収の7倍まで、不動産投資ローンは5倍まで融資を受けることができます。

3-1-2.ローンの組み方の違いで最終的に資産形成に大きな差が付く

先にどのローンから利用するかによって、資産形成に大きな差が付きます。先に自宅を購入するため住宅ローンを組んだ場合で考えていきます。年収1,000万円の人が7,000万年の自宅を購入するため住宅ローンを利用した場合、融資限度額はそれだけで一杯になってしまいます。その後、不動産投資ローンを利用できるようになるには、不動産投資ローンの融資限度額5,000万円以下になるまで返済を進めていかなければなりません。
一方、先に不動産投資を始めた場合、最大で5,000万円までしか利用できません。その後、すぐに自宅を購入しようとしても、まだ2,000万円の住宅ローンを組むことができます。

さらに、不動産投資をすれば家賃収入が得られますので、家賃をローンの返済に充てれば、その分、早くローンが完済されていきます。

 3-2.健康状態

3年以内に入院や通院が必要なほど大きな病気にかかったりした場合、ローンが組めません。住宅ローンは長期間に渡り返済を進めていきます。そのため、金融機関は健康状態に問題があるかを見きわめてから融資を決めます。

3-3.消費者金融カード

1枚でも消費者金融カードを持っているとローンが組めない可能性があります。消費者金融に頼らなければならないほど、生活資金に余裕がないと金融機関に判断され、融資を断られることもあります。

3-4.勤務先の属性

金融機関にとって、あなたが勤めている会社は重要な判断基準です。融資をした相手の会社が倒産すれば、ローンを返せなくなるかもしれないからです。一般的な審査基準は上場企業、または上場企業に準ずる規模の会社であることです。従業員数、資本金、売上高、創業年数で企業の規模を判断します。

3-5.勤続年数

あなたが同じ会社で3年以上勤務していることは、安定した収入がある証しになります。
例え3年未満であってもキャリアアップのための転職であれば、融資が受けられるかもしれません。ただし、同じ職種での年収がアップしていることが条件です。

3-6.雇用形態

パートやアルバイト、契約社員などの非正規雇用社員はローンを組むことができません。金融機関の融資対象者は、サラリーマンや公務員といった安定した収入のある人だけに限定されています。

3-7.年収

500万円以上の年収があることが望まれます。融資した相手にローンを返せるほど給料を稼いでいるサラリーマンかどうか見きわめるためにも「年収」を重視しています。

3-8.ローンの返済負担率

1年間におけるローンの返済額が年収の30%以内に抑えられることが重要です。この割合を返済負担率と言います。この割合を超えてローンを組んでしまうと生活費に手を付けて、生活が破綻してしまう可能性があると金融機関は判断しています。

返済負担率=住宅ローン年間返済額÷年収(額面)×100

3-9.年齢

不動産投資ローンを利用できるのは遅くても54歳まで、完済時の年齢は79歳までが目安です。何歳でもローンを組める訳ではありません。サラリーマンには定年があり、返済能力が著しく落ちることが考えられるからです。

3-10.自己資金

手元にあるお金のうち生活費を引いて残った資金が自己資金です。この自己資金を多めにいれることで、これまでの基準を満たしていなくても、融資を受けられる場合があります。もちろん自己資金が多く入れればそれだけ返済額は減りますので、金融機関にとってもリスクが少なくなるからです。

一般的には物件価格の5%も自己資金があれば残りの融資を受けることが可能です。

4.ローンの利用方法

ここまでは不動産投資ローンの特徴をまとめたものですが、ここからは不動産投資ローンの利用方法を紹介します。ローンの利用方法を考えるうえで欠かせないのが自己資金の活用方法です。どのように自己資金を活用するか、その目安となるのが「リスク許容度」です。

4-1.リスク許容度

リスク許容度とは「あなたがどれだけリスクを取ることができるのか」という基準です。ここでいうリスクとはローンのことです。繰り返しになりますがローンを利用すれば、自己資金が貯まる前に不動産投資をスタートできるというメリットがありますが、金利上昇リスクを抱えることになります。

リスクを避けるなら、極力ローンを利用しないことです。ローンを組んで物件を1戸購入しても、なるべく多めの自己資金で入れて不動産投資をスタートしてください。その後もなるべく早い段階で繰り上げ返済を進め、ローンを完済する計画で初めていきましょう。

自己資金に余裕があってリスクを取れるなら、同時に複数の物件を購入することをおすすめします。同時に物件を購入することで、1戸のローンの繰り上げ返済をしている間に、他の物件のローンは入居者から得られる家賃収入で返済をすることになり、完済までの期間をぐっと短縮できるようになります。

5.不動産投資ローンの申し込みから融資実行までの6つのステップ

金融機関のローン審査には、さまざまな書類や資料をそろえて提出しなければなりません。ここではローンの申し込みから融資が実行されるまでの基本的な流れを紹介します。

① 金融機関に不動産投資ローンの申し出をおこない、融資担当者のアポをとる
② 融資申し込みに必要な書類・資料を整えて持参し、担当者にローンの申し込みをする
売買図面、住宅地図、登記簿謄本、公図、固定資産税評価証明書、物件概要書(投資物件の特長など)、キャッシュフロー試算表、物件取得関連費用概算表、建物図面、写真、周辺取引事例(賃料の相場など)、源泉徴収票、確定申告書
③ 金融機関側の審査開始
④ 金融機関側から融資決定の通知
⑤ 融資契約に必要な「金銭消費貸借契約」「抵当権設定契約・根抵当権設定契約」「団体信用生命保険」などの締結
⑥ 融資が実行される

6.まとめ

この記事に書かれていることを意識するだけで、あなたは不動産投資ローンを利用して、みごとに不動産投資のスタートラインに立てることができるはずです。不動産投資ローンの契約は、あなたの将来の投資ビジョンにも深く関わることになります。ここでしっかりと身につけておいてください。

 

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