キャピタルゲインとインカムゲインの違いがわかりますか?
投資から利益をあげるには2つの方法があります。資産の売買差益により利益を得るキャピタルゲインと資産を所有することで利益を得るインカムゲインです。この2つは利益の上げ方だけではなく、税金も異なります。インカムゲインとキャピタルゲインの違いをよく理解をしておかないと、せっかく利益を上げたとしても税金が大幅にかかってしまってお金が手元に残らなくなることも考えられます。
キャピタルゲインとインカムゲインの特徴だけでなく税金も含めて、この記事で確認していきましょう。
不動産投資体験談
目次
1. キャピタルゲインとインカムゲインの特徴
まず最初に、キャピタルゲインとインカムゲインのそれぞれの意味と特徴について確認していきます。
キャピタルゲイン
資産を売買することによって生じる利益
- 株式投資
- 投資信託
- 不動産の売却益
- 外国為替取引による利益
価格変動の大きい株式や投資信託、FX(外国為替証拠金取引)がキャピタルゲイン投資の代表格です。
インカムゲイン
資産を保有することで生じる利益
- 株式投資の配当金
- 投資信託の分配金
- 不動産投資の家賃収入
- 外国為替のスワップポイント
価格変動の少ない(又はない)預金や国債などの債権、不動産投資がインカムゲイン投資の代表格です。ただし、すべての商品で元本が保証されているわけではありません。
キャピタルゲインとインカムゲインの特徴の比較
ここでキャピタルゲインとインカムゲインのそれぞれの特徴を利益の大きさ、利益の発生、そして発生時期の3点で比較していきます。
キャピタルゲイン | インカムゲイン | |
利益の大きさ | 大 | 小 |
利益の発生 | 不確定 | 確定 |
利益の発生時期 | 売買時 | 所有中 |
このようにキャピタルゲインは利益が大きい分、利益が出るかどうかは不透明です。一方、インカムゲインは利益は小さいですが、安定して収入を得ることができます。
2. キャピタルゲインとインカムゲインの税金
キャピタルゲインとインカムゲインは、その資産の種類によって税率が異なります。ここで資産ごとの税金の違いをまとめみました。
株式 | 投資信託 | FX(外国為替証拠金取引) | 不動産投資 | 預金 | |
キャピタルゲイン | 20.315% | 20.315% | 20.315% | 短期:41.1% 長期:22.1% | ― |
インカムゲイン | 20.315% | 20.315% | 20.315% | 個人の所得税率による 5%~40% | 20.315% |
不動産の売却益に対する長期と短期の税率の見極め方
不動産の売却益は、売却する不動産の所有期間に応じて税率が決められています。『不動産を所有してから6回お正月を迎えたら長期譲渡、まだ迎えていなかったら短期譲渡』と覚えておきましょう。
キャピタルゲインとインカムゲインの税金を商品ごとに比べてみると、不動産でその差がはっきりしていることが分かります。短期の売買ともなると39%にもなります。不動産の税制面でみれば、よほど価格が上がらなければ短期の売買は向いていないことがよく分かります。
3. 不動産で考えるキャピタルゲインとインカムゲインの特徴
次に、キャピタルゲインとインカムゲインの2つを狙うことのできる不動産投資で、それぞれの実態について確認いきましょう。
3-1 値上がり益を狙った不動産投資の危険性
まず大前提として不動産投資を生業とするようなプロを除けば、キャピタルゲインを狙った不動産投資はやってはいけません。
理由1. 不動産の価格が上がるのはごく一部
アベノミクスや東京オリンピックの開催決定により都内の不動産価格が上昇しています。ただ、ひと昔まえのバブルと異なるのは、価格が上昇しているエリアはごく限られているということです。しかも、東京オリンピック以後は価格がどうなるかは不透明です。
仮に、いま購入したとして東京オリンピック前に売却しても、短期譲渡扱いになるので税率も高くなってしまいます。
理由2. 人口が減少している日本では全体のトレンドは下降気味
不動産の価格は需給によって決まります。いくら不動産会社がつけた値段でも、買いたい人がいなければ、価格はあがりません。ご存じのように人口が減少している日本では、そもそも住宅の需要が少なくなることが考えられ、実際に空き家も年々増加しています。
理由3. 不動産はキャピタルゲインへの税金が高い
不動産を5年以内の短期で売却した場合、42.1%(所得税30%+住民税9%+復興所得税2.1%)もの税率がかかります。しかも、売却する際には仲介手数料もかかるので、少しの売却益が出た程度では短期で売却した際には、ほとんど利益は残りません。
3,000万円で購入した不動産を、翌年3,100万円で売却したケース
売却価格3,100万円-(3,000万円+仲介手数料96万円)=売却益4万円
売却益4万円×(1-譲渡税41.1%)=手元資金2万3560円
3-2 投資する不動産によってインカムゲインの安定度も異なる
不動産投資で安定した家賃収入を得るためには、人口の多いエリアで行うことが鉄則です。不動産に投資をしてインカムゲインを得られるといっても、入居者がいなければ家賃は一切入ってきません。入居者がいなければ不動産も入れ物にすぎません。
だからこそ、不動産投資で安定したインカムゲインを得るためには、人口の集まる大都市圏で行うことが鉄則なのです。
まとめ
インカムゲインとキャピタルゲインはどちらも一長一短のある投資です。しっかりと特徴を見極めてから投資をしましょう。
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